大切な健康対策

連載コラム

高齢の「親世代」への大きな心配事は「健康とお金」の2つです。中でも、高齢になると増える心配事が「健康」で、誰でも避けて通ることはできません。「子世代」にとっては大きな心配の種です。
そこで、今回は高齢親世代の健康不安の内容とその対策を提案します。

健康への心配は70代後半から増え始め、80代後半には認知が4割に

高齢になって健康の心配は「フレイル」と呼ばれる虚弱体質になることから始まります。「フレイル」になると、心身が衰え、社会とのつながりが減少します。次に「要介護」と呼ばれる介護が必要な状態になります。中でも、「認知症」は、脳の病気や障害などが原因で認知機能が低下し、日常生活全般に支障が出てくる状態をいいます。「認知症」の発症率は60代後半では3%と低く、70代前半も4%程度ですが、70代後半14%と上昇し、80代前半22%、80代後半41%にも達します。

高齢者 認知症

「親世代」に大切な健康対策は「運動」「食事」「睡眠」「認知症」の4つ

高齢期になっても、必要な体力・知力を維持するには、健康対策として「運動」「食事」「睡眠」、そして、「認知症」対策の4つが大切です。適度な運動・体に良い食事・十分な睡眠での体力維持と、知的活動や地域活動への参加などの認知症対策を行うことが大切になり、早めの対策を行うことで、発症を遅らすことができます。

運動対策:運動機能を維持する

運動機能の維持には、筋肉や骨・関節と、バランスや反射などを調節する脳神経系と、両方の機能が保たれていることが必要です。これらの機能が低下すると、運動器の障害のために自立度が低下し、介護が必要となる危険性が高い状態であるロコモティブシンドローム(運動器症候群)になるので注意しましょう。

高齢者 運動

食事対策:栄養バランスや健康な歯「8020」を維持する

食事で大切なのは、栄養バランスを考えて、食事をすることです。次に、しっかりと自分の歯で噛むことです。それには、歯が大切で、国は80歳で20本の健康な歯を保有する「8020運動」を展開しており、2016年には51.2%に達しています。健康な歯を維持するためには歯の定期診断が大切で、国は歯科健診を義務付ける「国民皆歯科健診」制度の検討を考えています。

高齢者 8020

睡眠対策:7時間の睡眠をする

毎日、しっかり睡眠時間をとること、できれば毎日7時間の睡眠をとることが大切です。また、夜中にはなるべくトイレに行かないようにしましょう。それには、寝る前に頭を使わないこと、昼間は散歩などの適度な運動をすることで、快眠が可能になります。さらに、生活のリズムを変えないことも睡眠対策になります。

高齢者 睡眠

認知機能対策:脳を使う活動を行う、社会に参加する、物忘れをなくす

認知機能の維持には、脳機能を活発に使うこと、栄養状態を良くして脳の血管・血流を良好な状態に保つことが必要です。認知症対策としては、脳を活性化させる知的な趣味、人との交流できる社会参加活動を行うこと、私生活では物忘れを減らすことが大切になります。また、難聴も認知症に良くない影響を与えますので、難聴対策としての補聴器をつけることも忘れてはなりません。

離れて暮らす親世代への気遣いは3つ

離れた場所で暮らす「親世代」に対して「子世代」が気遣うことは3つあります。

離れて暮らす親への気遣い

第1に「子世代」が「親世代の変化に気づくこと」です。
毎年、定期健診を受け、健康状態を継続的に把握することが大切です。また、いつもと違う話し方や行動に気づくことです。例えば、薬を飲み忘れが増えたとか、約束を間違えるなど「物忘れが増えたこと」や「話が合わない」などに気づくことです。

第2に「親世代」が積極的に「地域で開催されるイベントなどの活動に参加すること」です。
イベントや交流会に参加することで仲間ができ、仲間と会話することが健康対策にもなります。そういったイベントや交流会を探してあげて、勧めてみるのもいいですね。

第3に「親世代」が「運動や頭を使う活動をすること」です。
一人でもできる健康対策は散歩などの運動をすること、頭脳を使う趣味(川柳、音楽、絵画などの創作活動)を継続することです。会話の中で、時々その様子を聞いてみて下さい。

こうした気遣いを「子世代」がすることが、離れた場所にいる「親世代」が「元気で長生きできる」ことにつながります。


プロフィール富田眞司

氏 名  富田 眞司
名古屋大学卒業後、広告会社やメーカーなどで企画業務を担当、定年後執筆した「A4・1枚究極の企画書」などの企画書本は20冊。韓国語、タイ語などにも翻訳される。
2012年、企画とシニア目線を生かし、日本元気シニア総研設立 代表に就任、現在、最高顧問でシムライフ最高顧問も兼ねる。『シニアビッグビジネスの可能性』など、需要創造テーマの講演や、日経MJ、夕刊フジで連載などの執筆、テレビ出演、全国での講演など多数。


「親子ネクト〜離れて暮らす親が、ふと心配になったら〜」は、離れて暮らす親を心配されているご家族向けに、親に関する様々なお役立ち情報を発信しているブログサイトです。
タイトルの「親子ネクト」は親とつながる(コネクト)をイメージしております。

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