親子で話題にしにくいお墓のこと【親の生活】

生活のコト

親子でギャップ 埋葬法

お墓に対する自分の親の希望や、もしくは子の希望を知っていますか? 家族で面と向かってお墓のことを話し合うことに抵抗がある人は多いと思います。自分と親、自分と子の間での希望に差があると、どちらかが後悔する選択を選ぶことになってしまいます。

ある大手葬儀会社のアンケート調査では、親世代に自分の遺骨をどのようにしてほしいか質問したところ、「散骨」と回答した人が約26%、「納骨堂」が約23%、「お墓」は約14%でした。これに対して、子世代に自分の親の遺骨をどのようにしたいか質問したところ、「お墓」が約34%、「納骨堂」が約21%、「散骨」が約12%でした。

お墓

このように、希望する供養方法が子世代と親世代では世代間ギャップがかなりあります。また、「納骨堂」は親世代・子世代の両方からの支持が高いことがわかりました。費用が安く、手間のかかる管理が不要なため、両世代から受け入れられている供養方法だと予想することができます。

親世代が最も重視する項目は「費用」で約18%、次に重視する項目は「アクセス」で約13%。一方、子世代が最も重視する項目は「アクセス」で約14%、次に重視する項目が「費用」の13%強でした。また、親世代が3番目に重視すると回答した「管理の手間」に関しては、子世代では5番目に重視するという結果で差がありました。親世代の人たちが、「子どもに管理の手間をかけたくない」と心配するよりも、子世代は「お墓の種類・供養タイプ」を気にしているということがわかりました。

では、実際にお墓を選ぶときには、誰の意見を尊重したいのかを調査したところ、親世代では、自分と伴侶という自分たちの代の意見を尊重したいと回答した人が約64%、子世代は、両親の意見を尊重したいと回答した人が約74%でした。

これだけ親子間でお墓に対する考え方に開きがあるのであれば、やはり前もって話し合っておく必要があるでしょう。

お墓のこと 家族で会話

墓じまいが増えている

最近の傾向では「墓じまい」が大きな潮流になっています。それは、先祖のお墓を片付け、お墓を建てていた土地をお寺や霊園の管理者に返却することです。その背景には、お墓を継ぐ人がいない、故郷から離れて暮らしていてお参りがなかなかできないといった諸々の理由があります。

一般的な流れとしては、閉眼法要を行い、ご先祖の遺骨を合祀墓など永代供養墓に移し、墓石を撤去。通常は区画を更地にして返還します。

納骨堂

墓じまい後の供養は?

遺骨をどのように供養するか、主な方法としては、先に述べた「永代供養墓」のほか、「納骨堂」「樹木葬」という方法があります。また、「散骨」「手元供養」といった方法を選択することもできます。

永代供養墓
永代供養墓とは、お墓を継承する人がいなくなったときでもお寺が責任をもって供養を続けてくれるお墓のことです。墓じまいをした人の多くは、この永代供養墓での供養を選んでいるようです。永代供養墓であれば最初に費用はかかるけれども、その後の費用は発生しません。ただし一度埋葬をすると二度とお骨を取り出すことができないので、よく考えてから決めるようにしてください。

納骨堂
納骨堂は遺骨を納めた骨壺を安置するための建物で、管理のしやすさや立地の良さから、近年お墓ではなく納骨堂を選ぶ人が増えています。納骨堂は墓石の管理を引き継ぐ必要がなく、多くの場合が永代供養されます。一定の年数を経てから遺骨の場所を移し、合祀となることが多いです。

樹木葬
一般的な樹木葬はシンボルツリーの周りに遺骨を納める方法ですが、土に埋めて自然に還す方法もあります。

散骨
散骨をする場合には、何も知らずに行うと法に触れてしまう可能性があるので、専門業者に相談するようにしてください。永久に遺骨を手放すため維持費がかかりませんが、特定の参拝スペースなどはなくなります。

手元供養
遺骨を自宅で管理する方法になります。こちらも維持費がかからないのがメリットですが、この場合も供養者がいなくなった場合のことを考えておく必要があります。

墓じまい 供養

墓を移して供養

また、遠くに離れて住む遺族が故郷にある実家の墓じまいをして現在住んでいる近くに墓を移して供養する場合もあります。墓じまいした後に遺骨をほかの場所で供養するときには、改葬許可申請の手続きをしなければいけません。このときに必要となる書類は「埋葬(納骨)証明書」「受入証明書(永代供養許可証)」「改葬許可申請書」の3点です。

埋葬(納骨)証明書は、現在のお墓の管理者に交付をしてもらいましょう。なお、公営霊園の場合は各市町村が窓口となっている場合もあります。受入申請書(永代供養許可証)は、新たな納骨先のお寺・霊園の管理者に交付をしてもらいます。散骨や手元供養を行う場合は、どのような手続きを踏めばよいのかを事前に市町村に問い合わせておきましょう。埋葬(納骨)証明書と受入証明書(永代供養許可証)が用意できたら、改葬許可申請書を記入して3点セットで提出しましょう。改葬許可証は、遺骨を取り出すために必要になります。なお改葬許可証が発行されるまでには時間がかかることがあるので、余裕をもって手続きを行うようにしてください。

墓じまいにかかる費用

墓じまいにかかる費用はどのようなものがあるのでしょうか。

・必要書類の発行
埋葬証明や受入証明には、数百~数千円かかる場合があります。

・魂抜きの儀式、閉眼法要へのお布施
こちらの相場は、2万~5万円が一般的です。

・お墓の撤去作業費用
相場目安は、1㎡あたり10万円程度です。スペースが狭くクレーンが入らない場合には料金が加算され、高額になることもあります。

・改葬先への納骨費用
改葬方法によって異なるため、5万~100万円と相場にも大きな幅が出てしまいます。改葬方法の相場と併せてご確認ください。

・遺骨のメンテナンス費用
自分でもできますが、専門業者に頼むと1体2万円程度が相場です。

墓じまい



<親子ネクトーク 〜墓じまいの注意点〜>

墓じまいのトラブルとして多いのは、親族間です。きちんとした話し合いをせずに勝手に墓じまいをしてしまうと、大きなトラブルに発展してしまうことがあります。お墓を継いでいない親族でもお墓には思い入れがあるものなので、全員が納得できるまで事前に話し合うようにしてください。墓じまいの際、注意しなくてはならない点は以下の通りです。

●お寺側が石材店を指定しているときはそれに合わせる
遺骨の数だけ改葬許可証が必要
古い土葬の遺骨は、土を落としてから火葬を行なわくてはいけない

 


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