介護施設選びで失敗しない!【親の生活】

連載コラム

介護施設の種類

介護施設には、いろいろな種類があり、費用や入居できる介護度が異なります。
まずは、介護施設の種類を確認しましょう。
介護施設は大きく公的施設と民間施設に分けることができます。

介護施設

<公的施設>

国や地方自治体などの公的な団体が運営しています。
公的な施設なので、介護度の高い方や低所得者を支援しているため、民間施設に比べ安い費用で利用できますが、人気が高いので入居待ちになることもあります。

介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)

特養と呼ばれることがあります。
要介護3以上の方が入居対象で、入居できれば終身利用が可能です。
比較的費用が安いため、待機者が多く入居が難しい状況です。

介護老人保健施設

老健と呼ばれることがあります。
要介護の方が入所対象で、病院を退院したあと、すぐに在宅での自立した生活を送ることが困難な場合に入所でき、医療ケアやリハビリなどを行う施設。
入所できるのは原則3か月~6か月となっています。

介護療養型医療施設(療養病床)

2024年3月で廃止予定→介護医療院へ転換
医療的管理が必要とされる要介護1以上の方が入居対象で、医師が数人配置されているなど、医療的ケアが充実している施設。
身体介護・医師や看護師による医療的介護理学療法士によるリハビリなど、健康状態を回復させるためのサポートを受けることができます。

介護施設

ケアハウス

身寄りがないなど、諸事情で在宅が困難な方が入居する施設
自立型と介護型があり、自立型は要介護3以上になると退去が必要になります。
基本的に介護サービスの提供はなく、介護が必要になった場合は、外部のサービスを利用することになります。

<民間施設>

民間企業が運営している施設です。公的施設に比べ費用は高いですが、レクリエーションやイベントなども多種多様なものが提供されています。

介護付きホーム(介護付有料老人ホーム)

自立から要介護の方を対象とした施設で、食事などの日常生活上のサービスと施設の介護スタッフによる介護サービスが提供されます。
費用は高めですが、24時間365日介護スタッフが常駐し、介護サービスを受けることができます。
自立している方も受け入れは可能ですが、使わない介護費用が発生する場合があるので、注意が必要です。

住宅型有料老人ホーム

生活支援や食事などのサービスが提供される高齢者向けの居住施設。
(介護は外部の介護サービス事業者との別途契約が必要になります。)
介護度が高い方は基本的に住み続けることができません。
自立している利用者が多く、レクリエーションなどが充実しています。

老人ホーム

サービス付き高齢者向け住宅

サ高住と呼ばれることがあります。
高齢者向けのバリアフリー設計された高齢者向け住宅。自宅同様の自由な生活ができます。
(安否確認と生活相談サービスはありますが、介護は外部の事業者との別途契約が必要です。)
入居一時金ではなく、敷金としている施設が多いため、入居時の費用が安いです。

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)

認知症専門スタッフが常駐し、認知症の高齢者が少人数で共同生活を送りながら、介護や機能訓練などを受けます。介護度が上がる・健康状態が悪化すると退去しなければいけないこともあります。

健康型有料老人ホーム

自立している方を対象としているため、認知症を発症・介護が必要になった場合は、退去しないといけません。
アクティブな生活をしたい方向けです。

シニア向けマンション

バリアフリーが整った高齢者向けの分譲・賃貸マンション。富裕層をターゲットにしているため費用は高めですが、家事サービスを受けられる他、温泉・プール・フィットネス・レクリエーション設備などが充実している施設もあります。
介護サービスが必要になったら、外部の事業者を自由に利用できます。(別途契約は必要です。)
生活の自由度は高いですが、介護度が高い方は基本的に住み続けることができません。

介護施設 フィットネス

介護施設選びで注意すべきこと・確認すべきこと

・介護度が変わっても入居継続可能か

介護施設は、施設によって入居できる介護度が異なります。そのため、介護度が変わったことで、施設を退去しないといけなくなることもあります。

・病気になっても入居継続可能か

医師や看護師が滞在していない施設では、病気になったことで、施設を退去しないといけなくなることもあります。持病が悪化したときも同様です。

・看取りまで可能か

看取りとは施設で最期を迎えることです。介護施設は高齢者の方が入居しますから、施設で最期を迎える方はとても多いです。

介護施設は、入居一時金など多額な費用を支払うことが多いです。入居される方の変化にも対応できる施設を選ぶようにしましょう。
施設によっては、同じ会社がいろいろな施設を作り、介護度などが変わった場合に移れるシステムになっていることもあります。
また、一つの敷地内に、自立している方の施設・介護が必要な方の施設・病院をまとめているところもあります。(墓地まである場合も)

・介護施設の経営状態も確認

介護施設が経営悪化によって倒産し、入居一時金も戻らなかったということもありました。

・介護施設のスタッフの仕事を観察

介護施設は少ない人数で多くの入居者を対応していることもあります。何人のスタッフで何人の入居者を対応しているのか、食事のとき・入浴のときなどにきめ細かい対応をしてもらえるかを確認することも重要です。

介護施設を選ぶ前に

介護施設の必要性を感じるようになったら、事前に希望条件などを整理しておきましょう。

介護施設 確認事項

・生活スタイル

介護度にもよりますが、入居者の中には「時々買い物に行きたい」「自分で食事を作りたい」「介護スタッフ以外の入居者との関わりは持ちたくない」「趣味の○○を続けたい」といった希望がある方がいます。そういった本人の希望も事前に聞いておくといいです。

・希望地域

家族の方が通うことを考えるのはもちろんのことですが、「入居される方の友人が会いに来る」「住み慣れた街並みや景色が見える」などの希望を持たれている方も多いです。

・必要となる医療

持病をお持ちの方は、毎日必要な処置や投薬、医師や看護師の常駐が必要かを確認しておくことが大切です。医療的管理が対応できる施設は限られます。

・かかる費用

入居一時金や月額利用料はもちろんのこと、別途医療費・おむつ代他がかかる場合があります。
入居者の貯蓄や年金から費用を出せるのか、家族の負担が必要なのかを確認しておきましょう。
入居者の貯蓄や年金から費用を出す場合は、認知症などで判断能力がないとされたときの対策も検討しておきましょう。(後見人制度・家族信託など)

介護施設

介護施設は、ネット検索やパンフレットなどの資料だけでなく、入居体験や見学を活用し、実際に施設を目で見ることで選ぶといいでしょう。


プロフィール

氏 名  渡辺 美智代
1966年 神奈川県横須賀市生まれ横須賀育ち
ファイナンシャルプランナー オフィスまみぃ代表
横須賀市とその周辺の地域を中心に個別相談・相談会・セミナー講師をしている。終活カウンセラーを取得してからは、葬儀会社と連携し、葬儀後の各種手続きのサポートも行う。
実績
横須賀市の弁護士・税理士・行政書士・社会保険労務士と「横須賀知恵袋」という団体を作り、月1回の無料相談会を開催
その他の事業
「起業ママ支援ユメノタネプロジェクト」
「ファイナンシャルプランナー資格活用塾FP+」
「介護・相続サポート窓口」 他


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タイトルの「親子ネクト」は親とつながる(コネクト)をイメージしております。

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