親の保険の見直し【親の生活】

連載コラム

高齢者の保険見直しのポイント


保険期間を確認し、見直しのタイミングをチェック!

保険の種類はとてもたくさんありますが、見直しにはポイントがあります。
まずは、加入している保険の保険期間を確認しましょう。保険証券や契約内容の確認等の書類で確認することができます。
保険期間とは、その保障がいつまで続くかを表しています。
保険期間が終身なら一生涯保障されます。保険期間が10年なら10年間のみの保障です。保険期間が80歳なら80歳までの保障です。

高齢者の保険相談で多いのが、医療保障の保険期間が80歳のケースです。
主契約が死亡保障の保険に、医療特約をつけている場合の多くが最大80歳まで更新可能となっています。そのような保険に加入されている方の相談してくるタイミングが、更新できなくなった80歳になってから、あわてて『保障がなくなってしまった!』ということが多いです。
ところが医療保険の契約できる年齢は75歳や80歳までとされている保険会社もあり、80歳になってから加入を考えても間に合わないことがあります。
また、年齢が上がるほど保険料は高くなります。年齢が上がるほど持病がある方も増え、 加入も困難になります。
更新時でないと見直しできないと思っている方もいますが、更新に関係なく、保険の見直しは可能です。保険期間の確認ができたら、見直しを検討してみてください。

高齢者 保険の見直し

高齢者の方におすすめの保険期間は終身です。平均寿命も延びていることもあり、期間を決めてしまうのはおすすめしません。更新型に加入されている方は、更新時に保険料がいくらになるのかを確認しておくことが重要です。現在の保険料の倍以上になる場合もあるので、きちんと確認しておきましょう。

契約者・被保険者・受取人によって変わる税金

次に確認するのは、契約者・被保険者・受取人が誰になっているかです。
契約者は、契約の権限を持っている人で解約等も契約者からでないと受付けてもらえません。
一般的に、契約者=保険料支払者になっていることが多いです。被保険者は、その保険の対象になっている人です。受取人は、保険金を受け取る人です。保険に加入するときに、契約者・被保険者・受取人を決めることになりますが、これらを誰にするかで、保険金を受け取ったときの税金が変わります。高齢者に限らず、安易に決めたり、変更するのを忘れてしまっていると、保険金を受け取る時点で、いろいろな問題が起きてしまうので注意が必要です。

満期保険金の場合、契約者=満期受取人では所得税(一時所得)の対象になります。
契約者≠満期受取人では贈与税の対象になります。
死亡保険金の場合、契約者=被保険者死亡受取人が相続人では相続税の対象となります。
契約者≠被保険者契約者=死亡受取人では所得税(一時所得)の対象となります。
契約者≠被保険者≠死亡受取人では贈与税の対象となります。
受け取った保険金が同じ金額でも、課税対象額の計算が全く異なり、支払う税金額も変わります。

特に死亡保険金の受取人には注意が必要です。加入時に決めた受取人が死亡されてもそのままにしているとすべての相続人での手続きとなり、離婚されてもそのまま元配偶者にしていると相続人ではないので相続税の非課税は関係なくなり、未成年者が受取人だと親権者や未成年後見人が必要になります。 税金だけでなく、手続きが複雑になり、渡すつもりのない人に保険金を渡すことにもなります。
保険会社によっては、内縁の妻・子の配偶者・孫・従妹などの相続人でない方でも死亡受取人になることができます。介護をしてくれたお嫁さんなどにも保険金なら渡すことが可能になります。相続のことも考えて死亡受取人を決めましょう。

高齢者 保険の受取人

スムーズな手続きのために指定代理人・家族登録を!

加入したときから家族状況に変化があった場合には、受取人が誰になっているかを確認し、きちんと変更しておくようにしましょう。新しく加入するときにも、誰にすると良いのかを考えて決めるようにしましょう。指定代理人・家族登録をしておくことも重要です。契約者や被保険者が手続きできない状況になったときに、指定代理人や家族登録がしてあると、手続きがスムーズです。本人が手続きできない場合は指定代理人が手続き、災害等で保険会社が連絡できない場合は家族登録されている方に連絡をする仕組みになっています。

保険にたくさん加入している方は、死亡保障額や入院給付金額が多くないか少なくないか、ガンの保障・介護の保障は必要か、重複した保障になっていないか等、保障内容もしっかり確認し、不必要な保険は解約したり減額したりしておくといいです。保障の整頓ができたら、エンディングノートに加入している保険会社と連絡先と証券番号を書いておくといいです。

高齢者 エンディングノート

保険の見直しというと保険の加入しなおしと考えがちですが、加入しなおしだけでなく、保険期間や受取人、保障の整頓もしておくことが大切です。


プロフィール

氏 名  渡辺 美智代
1966年 神奈川県横須賀市生まれ横須賀育ち
ファイナンシャルプランナー オフィスまみぃ代表
横須賀市とその周辺の地域を中心に個別相談・相談会・セミナー講師をしている。終活カウンセラーを取得してからは、葬儀会社と連携し、葬儀後の各種手続きのサポートも行う。
実績
横須賀市の弁護士・税理士・行政書士・社会保険労務士と「横須賀知恵袋」という団体を作り、月1回の無料相談会を開催
その他の事業
「起業ママ支援ユメノタネプロジェクト」
「ファイナンシャルプランナー資格活用塾FP+」
「介護・相続サポート窓口」 他


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