高齢者の資産管理【親の生活】

連載コラム

高齢者の資産管理


高齢者の資産管理の注意すべき点

高齢者の資産管理は、その後の介護や相続を考えながら管理することが大切です。
預貯金で管理する場合、認知症等でご本人では判断できないと金融機関に思われてしまうと、そこで預貯金の出し入れができなくなってしまいます。預貯金の出し入れをするためには、成年後見人を立てて手続きをしなければいけなくなります。
介護施設に入居するためにお金が必要というときにも、すぐに現金化できない可能性があります。
相続の場合も同様で、預貯金の出し入れができなくなります。
この場合には、相続人すべての方の書類や署名が必要になります。
遺言書等がない場合は、法定相続分で分けることになるため、もしかしたら渡したくない人に相続されてしまうかもしれません。
ですから、高齢者の資産管理は、目的や金額を決めて、何かあったときには誰に代わりに管理してもらいたいか。誰に相続させたいか等をきちんと考えて、そのためにはどこで管理した方がいいのかを検討することが重要になります。

高齢者の資産管理

預貯金での管理

預貯金で管理したいのであれば
✔︎  任意後見人を決めておく
✔︎  家族信託契約をしておく
✔︎  遺言書を書いておく
等の対策が必要です。

高齢者の預貯金の管理

保険

あらかじめ相続人を指定したいときには、保険の形にしておくのも有効です。
死亡保険金での受け取りの場合、みなし相続財産と言われ、相続税の計算には入りますが、相続財産の分割対象にはなりません。死亡保険金受取人として決めておけば、確実にその人に相続させることができます。
また、死亡保険金には非課税枠があり、相続人が受け取った場合は、500万円 × 法定相続人の数の計算分、相続税がかかりません。例えば、法定相続人が妻と子供3人であれば、法定相続人は4人となり、500万円 × 4 = 2,000万円までの死亡保険金には相続税がかかりません。

高齢者の保険契約

口座は必要な数だけ

預け先の通帳の数も最低限にしておくことも大切です。
同じ銀行でもあちこちの支店に分かれていると、いろいろな手続きが大変になってしまいます。
少額しか残っていない通帳や、使っていない通帳があれば、今のうちに解約しておくといいですね。
年金が入ってくる口座、公共料金が引かれる口座、リフォームや家電購入のための預貯金口座、のように、目的別に管理して、必要な通帳だけにしておくといいです。

エンディングノートの活用

インターネットバンクも便利ですが、何かあったときには、パスワードが分からない、パソコンが使えない、そもそもあることを知らなかった、等の問題が出てきますので、エンディングノートを書いておくことをお勧めします。株や投資信託についても同様で、株や投資信託に詳しくない方でも簡単に手続きができるように、分かりやすい説明でエンディングノートに書いておくといいです。
葬儀後の相談者の中には、大量の記念コインが出てきた方がいました。こちらは価値を調べるのも大変な作業です。

エンディングノート

資産を増やす

資産を増やすことも必要ですね。旅行に行ってゆっくりと温泉に入ったり、豪華客船に乗ったり、高齢者だからこそできる楽しみもあります。そのために資産運用することも大切です。資産運用も使う時期を考え、必要に応じて自由に現金化できる方法で運用しましょう。

高齢者の資産管理は、ご本人だけでなくご家族も知っておいた方がいいことがたくさんあります。
一度ご家族と話してみることも大切です。


プロフィール

氏 名  渡辺 美智代
1966年 神奈川県横須賀市生まれ横須賀育ち
ファイナンシャルプランナー オフィスまみぃ代表
横須賀市とその周辺の地域を中心に個別相談・相談会・セミナー講師をしている。終活カウンセラーを取得してからは、葬儀会社と連携し、葬儀後の各種手続きのサポートも行う。
実績
横須賀市の弁護士・税理士・行政書士・社会保険労務士と「横須賀知恵袋」という団体を作り、月1回の無料相談会を開催
その他の事業
「起業ママ支援ユメノタネプロジェクト」
「ファイナンシャルプランナー資格活用塾FP+」
「介護・相続サポート窓口」 他


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