一人暮らしを続ける高齢の親を元気に!「生きがいサポート」で親孝行を【親の心と体】

心と体のコト

気になるのは体のことだけ?むしろ心配なのは心の落ち込み

離れて暮らす親と連絡をとるとき、体の状態を聞くことはできても、心の状態までうかがい知ることは難しいもの。一人暮らしで外出もしにくく、あまり話もしないのでは、高齢の親は体力も気力も低下しがち。ですが本人から心の状態について、助けを求めてくるケースは少なく、高齢者の気分の落ち込みは見逃されやすいとされています。
そんなとき、離れて暮らす子ども世代にはどんなサポートができるのでしょうか?考えていきたいと思います。

高齢者 心の落ち込み

体より心の衰えが早い?高齢者の「うつ」は見逃されやすい

うつ病とは、精神的・身体的ストレスなどから、脳がうまく働かなくなっている状態のことです。うつ病になると物事の見方や考え方がネガティブになり、気分が落ち込みがちになります。ほかにも、好きだったことに興味がわかなかったり、何をしても楽しくなかったり、食欲がわかなかったりと、心身に不調をきたします。うつ病は年齢に関わらず起こるものですが、特に高齢者の場合は、ほかの年齢に見られない特徴や要因があるのです。

そのひとつは、加齢によって心身の機能が低下していることです。意欲が出ないと体が動かず、体が動かないとさらに落ち込む……というように、心と体はお互いに影響を及ぼしているため、機能が低下する一方の悪循環となってしまいます。また、社会的役割がなくなることへの不安が大きくなることも、高齢者ならではの特徴です。

うつ病に限らず、高齢者の心身を回復するためには、心と体、両方へのアプローチが必要となります。そこで、体を動かすことを通じて心の安定を図ることができる、「生きがい」が大切になってくるのです。

高齢者のうつ

高齢者の老後の生きがいって?

ところで、一体どんなことが老後の生きがいとなるのでしょうか。

厚生労働省が公表している「平成30年 高齢期における社会保障に関する意識調査報告書」では、調査のひとつとして「老後の生活で生きがいを感じること」についてまとめています。生きがいは「教養・趣味を高めること」がもっとも多く、次いで「子どもや孫の成長」、「家族との団らん」が続きます。ほかに「働くこと」や「スポーツをすること」、「友人や地域の人との交流」が挙がっています。意識調査で挙がっている分類から、生きがいのヒントとなるものを見つけてみるとよさそうです。

もちろん、「楽しい生きがいを見つけなくては」などと焦らなくても大丈夫! 親子でともに生きがいを探すことも、親にとっては楽しいことだからです。その一方で、子ども世代にとって親の生きがい探しは、親孝行にもなるはずです。

生きがいを見つける

「生きがいを一緒に見つけること」で親孝行を!

では、一体どのようなことが、親の生きがいの候補になるのでしょうか。以下で生きがい探しのヒントをご紹介します。

生きがいのヒント①
習い事や趣味

新しいことを始めると決めたら、何歳であってもそのときがベストのタイミングです。英会話やカメラ、楽器やエクササイズなどは、人気の習い事です。地域の習い事教室を探してみるのもいいですし、最近ではオンラインレッスンも盛んに行われています。無料体験レッスンもあるので、試しにいくつか受けてみるのはいかがでしょうか。また、パートナーの趣味に一緒に取り組んでみるという方法もあります。パートナーが大事にしていた花や盆栽を受け継ぎ、お世話を続けてみるというのもよいでしょう。

子ども世代は、地域の習い事教室を調べてみたり、親が何かわからないときに入門書を見つけたりと、親の生きがい探しのお手伝いができます。

高齢者 趣味

生きがいのヒント②
家族との団らん

家族とともに食事を楽しみながら、映画を見たり、音楽を聴いたり。それまで仕事や子育てで時間がなかった人も、引退後の家族の団らんは、子どもや孫とともに楽しめる時間となるでしょう。家族と旅行に出かけるのもまた、生活へのモチベーションのひとつとなりますね。

近くに親が住んでいるのであれば、孫の保育園や習い事の送迎を親に担ってもらうのもひとつの方法です。孫と触れ合えることは、親にとっての大きな喜びとなるはず。ただ孫が元気すぎて、親が疲れてしまうケースもあります。孫のお世話をお願いする場合は、親に感謝することを忘れずにいたいものです。

高齢者 家族団らん

生きがいのヒント③
さまざまな人との交流

市区町村や社会福祉法人が行っているボランティアに参加するという手もあります。地域のボランティアには、小学生の登下校の見守りや地域のパトロール、公園の清掃や地域紙の制作などがあります。働いていたときの経験を活かすことで、地域の未来に貢献していることへの満足感も得られることでしょう。仲間と共通の趣味があれば、さらに交流が深められますね。

親の住まいの周りでどんな取り組みがなされているかは、遠方にいる子ども世代でも、自治体に問い合わせたりインターネットで調べたりできます。

高齢者 ボランティア

親の意識を外に向け、見守りの目を増やす

怪我や病気、パートナーに先立たれるなど、心がふさぎがちな出来事があったとしても、そのまま家にこもっているだけでは心に影響してしまいます。子が親に行う「生きがいサポート」は、親孝行のきっかけとなるのではないでしょうか。ただ、どの方法を選ぶにしても、親の負担になるようでは生きがいにはなりません。親本人の負担にならず楽しめるものを、相談しながら選んでみてください。



<親子ネクトーク〜ご両親にお伝えください〜>

新しいことに挑戦するのが苦手な人は、年齢を問わずいらっしゃいます。しかし、インターネットが普及して世界中の文化を簡単に知れる今、初めて出会う物や考え方、価値観はまだまだあります。初めてのことにドキドキする体験は、何歳であっても貴重な機会となりますよ!生きがいを通じて知り合う人が増えると、交流ができると同時に、お互いがお互いの「見守りの目」となるでしょう。

「生きがい」のお手伝いは子や孫でもできる!お互いに楽しんで。
インターネットやパンフレットで地域の情報収集をしてみよう。
「生きがい」が負担になったら本末転倒。じっくり長く楽しめるものを。


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