高齢者の空き家対策【親の生活】

連載コラム

高齢者の空き家が問題になるケースが増えています。空き家にもいろいろあり、売却予定での空き家・賃貸で入居者がいない空き家・リフォーム中での空き家などもありますが、ここでは高齢者が住んでいた自宅が空き家になっている場合について考えていきます。

空き家

空き家になる原因

高齢者が住んでいた自宅が空き家になってしまう原因はいろいろあります。

✔︎リフォームしないと住めない状況で、リフォーム資金不足のために空き家になっている
✔︎介護施設に入居し、自宅が空き家になっている
✔︎子供と同居し、実家が空き家になっている
✔︎実家を相続したが、住む予定がなく空き家になっている
✔︎相続や管理する親族がなく、空き家になっている
✔︎更地にすると固定資産税が高くなるから、空き家をそのままにしている

というように、もともとは高齢者が住んでいた自宅が、何かしらの原因でその家に住むことができなくなり、空き家になっています。

空き家にしておいても、固定資産税さえ支払っていれば問題ないと思われがちですが、税金だけの問題ではありません。空き家であっても、郵便物を取りに来たり、掃除をしに来たり、定期的に見にきているようであれば安心ですが、そのまま放置していると、老朽化した空き家が原因で災害が起きたり、知らないうちに他人が寝泊まりするために使用していたり、放火されてしまったりと、様々な問題が起きてしまいます。
老朽化した空き家が崩壊し、近隣の方に損害を与え、崩壊した家の所有者が損害賠償を負うこともあります。

空き家

空き家にしない対策

空き家にしないためにはどうしたらいいのでしょうか?

「リフォームしないと住めない状況で、リフォーム資金不足のために空き家になっている」→このような理由で空き家になっているときには、リバースモーゲージを活用することを検討してみてはいかがでしょうか?
自宅を担保に銀行からリフォーム資金を借りるというイメージです。
実家をリフォームしてご両親が住み、住んでいるときには利息を支払い、亡くなったときに売却して元本返済する方法が一般的ですが、賃貸用にリフォームして家賃収入を得るのもいいと思います。
空き家を活用した高齢者などの住宅確保要配慮者向けのシェアハウスも注目されています。(※の活用)
空き家にしておかず、人が住むことで老朽化を防ぐこともできます。

※平成29年4月26日に、「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律の一部を改正する法律案」(改正住宅 セーフティネット法)が公布されました。民間賃貸住宅や空き家などを活用した高齢者などの住宅確保要配慮者向け賃貸住宅の登録制度や登録された住宅の改修・入居への支援措置等を内容とする制度が創設されました。

リバースモーゲージ

「実家を相続したが、住む予定がなく空き家になっている」
→このように、相続した人が住む予定がないのであれば、ご両親が生きているときに売却をすることを検討してみてはいかがでしょうか?
空き家問題は、空き家にしないことが一番重要だと思います。
相続してから売却してもいいのですが、住まいが実家から離れたところにある、相続人同士がもめているなど、売却がなかなかできないことも多いです。年月が経てば経つほど売却も難しいものになってしまいます。
住む予定がなくても、ご自身が育った実家となれば、思い出も詰まっているので、売却をためらってしまいますよね。住まいとして利用しないのであれば、ご両親も納得したうえで、売却するのがいいと思います。

空き家になったときの対策

空き家として相続してしまったのであれば、名義変更を忘れずにしておきましょう。
相続された家を名義変更せずにそのままにしている方が多いです。
固定資産税に関しては、行政の方で相続人を調べ、納付書が郵送されてくるので、支払はされていることが多いですが、名義変更は後回しになり、亡くなった方のままでいることが多いです。

相続した方が名義変更せずに亡くなると、その相続人がさかのぼって手続きすることになります。
例えば、ご両親が住んでいた家を3兄弟の長男が相続したが、名義変更をせずに長男が亡くなってしまうと、そのまま長男の子が相続手続きできるわけではありません。
3兄弟での相続手続きが済んでいないので、3兄弟での相続手続きを先にしないといけません。3兄弟がすべて亡くなっている場合は、その3兄弟の子どもたちで3兄弟の相続手続きをして、それから長男の相続手続きをすることになります。3兄弟の子どもたちは従妹同士ではありますが、連絡が取れる仲であるとは限りません。もしかしたら、海外に住んでいるかもしれません。亡くなっているかもしれません。
このように、名義変更せずにいると、年月が経てば経つほどトラブルが増えていってしまいます。

相続トラブル

また、空き家が火災や台風の被害にあうこともあります。
空き家であっても火災保険への加入はできますので(企業総合で空き家として加入)、火災や台風に備えておくことも大切です。

空き家

空き家問題は、空き家にしないことが一番ではありますが、どうしても空き家になってしまうこともあります。

✔︎空き家にしない対策
✔︎空き家になったときの対策

どちらについても、ご両親が生きているときに話し合いをするようにしましょう。


プロフィール

氏 名  渡辺 美智代
1966年 神奈川県横須賀市生まれ横須賀育ち
ファイナンシャルプランナー オフィスまみぃ代表
横須賀市とその周辺の地域を中心に個別相談・相談会・セミナー講師をしている。終活カウンセラーを取得してからは、葬儀会社と連携し、葬儀後の各種手続きのサポートも行う。
実績
横須賀市の弁護士・税理士・行政書士・社会保険労務士と「横須賀知恵袋」という団体を作り、月1回の無料相談会を開催
その他の事業
「起業ママ支援ユメノタネプロジェクト」
「ファイナンシャルプランナー資格活用塾FP+」
「介護・相続サポート窓口」 他


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タイトルの「親子ネクト」は親とつながる(コネクト)をイメージしております。

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