身近な移動手段、自転車の落とし穴【親の安全】

安全のコト

高齢者の自転車事故増加

近年、高齢者が起こす自転車事故が増えています。身体的に衰えていることもあり、事故に遭うと重症化するケースが多いです。
「自転車で転んで、左太腿と骨盤を強打しました。骨折はしませんでしたが、車椅子で安静することに」
「自転車で転んで胸を強打しました。病院でひびが入っているかもと言われましたが、翌日放置していると、どんどん痛みが増して」などの声が代表的です。
警察庁交通局発表の「平成26年中の交通事故の発生状況」では、自転車運転中の負傷者数が最も多いのは16~24歳の22.1%、65歳以上が18.5%、15歳以下が17.2%。その中で死亡者数を見ると、65歳以上が63.9%と最も多く、60~64歳の9.8%、50~59歳の8.9%と続きます。

高齢者の自転車事故

危険な例

その危険な例をあげてみましょう。

・車道へ飛び出て車と接触

路肩に寄ってまっすぐ自転車走行をしていた高齢者が急に車道へ飛び出して後ろから来た車に轢かれてしまう。そんな事故が多発しています。周囲への注意力が低下していて、耳が遠い、目が悪いなど身体機能の低下が原因です。しかしそれだけではなく、後ろから車が来るかもしれないということを考えずに不意に反対側へ渡ろうとしてしまことがあるのです。高齢者自転車講習では、右折や道路を渡る際に手信号習慣にすることを推奨しているそうです。

バランスを崩して顔から転倒

道の段差や障害物などによる衝撃、曲がり角や人とのすれ違い、横風などによってバランスを崩して転倒する事故もよく起こります。転倒した際、とっさに体を守る反応が鈍く、顔から落ちたり危険な体制で落ちたりすることが多くあるとか。

・自転車事故で加害者になることも

自転車運転では加害者になることもあります。下り坂などでスピードを出していたところに子どもや高齢者が飛び出てきたとき、ブレーキの反応が遅れたり、かけることができなかったりということが起こりやすくなります。こうした他人を傷つける危険もあるのです。

高齢者の自転車事故

事故の原因

高齢者の自転車事故の原因は次のような理由が考えられます。高齢になると視力が低下し、視野も狭くなり、視力の低下と視野の狭まりは危険を察知する能力を鈍くし、対応を遅くしてしまうのです。

また、高齢者はバランス感覚が低下しています。反射神経や筋力も衰えて、緊急の危険を回避することが思ったようにできなくなり、ふらふらとその場で転ぶことが多くなってしまいます。

自転車の選び方

そこで高齢者が運転するのに適した自転車の選び方。今は様々なタイプのものが販売されておりますが、こちらではどんなものを選ぶのが良いのか、注意点を挙げておきましょう。

・両足がきちんと地面につくもの
新しく自転車を購入する際は、必ず両足が地面または床に着くことを必ず確認してください。停車時に足がきちんと地面に着かない高さは、大変危険です。

・できるだけ軽く、安定感のあるもの
高齢者の方でも持ち運びがしやすいように、軽いタイプのものを選びましょう。転倒したとしても、軽量タイプのものであれば、自力で起き上がることが可能な場合もあるからです。高齢者の自転車運転は、ふらつきが多いことも特徴のひとつ。できるだけふらつきの少ない、安定感のあるものを選ぶと良いでしょう。

・電動アシスト自転車
漕ぐ際に負担の少ない、電動アシスト自転車を選択の一つ。ただ、値段が高価ということと、普通の自転車に比べて重さがあるというデメリットもあります。

・三輪自転車
シニア用の自転車の中には、三輪自転車も販売されております。こちらは、安定感もあり、転倒しにくい作りになっています。また、自転車カゴが前方と後方につけられているので、荷物が多くなっても安心です。

自転車

安全運転への指導・配慮

高齢者の自動車事故が多くなり、それが報道で頻繁に取り上げられることによって、高齢者の免許自主返納の動きが出てきました。そうなると、移動手段を自転車へ変更される方も多くなってくると考えられます。しかし、それにともない、今度は自転車事故が増加してしまう……。そうした事態が進むと高齢者の移動手段をさらに奪うことにもなりかねません。

この事態を防ぐために私たちにできることは、高齢者の運転に配慮し、できるだけ安全運転を広めて行くことだと思います。高齢者は判断力が低下しつつあるからこそ、基本を忘れずに安全な運転を心がけることが一番大切です。その橋渡しを私たちがしてあげるのです。

高齢者 自転車



<親子ネクトーク〜ご両親にお伝えください〜>

子としては高齢者の親が自転車を漕ぐのは危なっかしくてできれば控えてほしいと思うもの。しかし、高齢者にとって自転車はごく身近な移動手段で、生活に張りを持たせる役割もあるのです。何よりも、子どもさんたち周りの環境や協力が必要ではないでしょうか。これも親孝行と思ってください。以下のような当たり前のことを徹底させるだけで、交通事故は減少しますよ。

●交通ルールを守ること
●夜間時には、ライトを点灯させること
●スピードを出しすぎないこと
●暗くなったら運転を控えること


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