⑤なぜかケンカで終わりがちな親との会話【親と繋がる】

連載コラム

親と話すと最後にはケンカになってしまう

親世代と話していると、お互いの主張がかみ合わずにケンカになることが多くありませんか。
例えば、万が一に備えてそろそろ自宅の見廻りサービスなどを利用しないかと持ち掛けても、「よけいなお世話だ。自分たちだけでちゃんと生活できているから必要ない」と拒絶されたり、テレビのニュースを見ていてずっと批判的なことを言うので「色々な考え方があるからそんなに怒らなくてもいいんじゃない」と言ったら、いきなり自分に親の怒りの矛先が向いて、最終的に口論になってしまったりといったことは日常でもよく聞く話です。
お互いイヤな思いをしたくないはずなのに、話すとケンカになってしまうのはなぜなのでしょうか。

親子 口喧嘩

「良かれと思って」いる気持ちの先にあるもの

子供世代からすれば、親になんらかの意見やアドバイスを伝えようと思ったとき、少なからず「親のためを思って言っている」「親に良かれと思って言っている」という気持ちがあるでしょう。
確かに子供世代の主張する内容のほとんどは間違ってはいません。しかし、本当に「良かれ」と気遣われている親世代のためになっているでしょうか。

例えば「ケガすると危ないから、もう自転車に乗って出かけるのはやめてほしい」と思ったとします。それはその通りですが、その先に「ケガでもされて病院通いになったら自分に負担がかかるので困る」という思いがあるかもしれません。
もしそうであれば、親世代が「自転車に乗るのは健康にもいいことだからやめない」と言ってきたら、「自分に負担をかける気なのか」と怒りの感情が湧いてしまいます。

また子供世代は誰でも「老いていく親」に不安を感じるものです。いつまでも元気でいて自分を導く、頼れる存在であってほしいという思いが強いほど、「〇〇してほしい、しないでほしい」という要求を突きつけたくなります。しかしそれを聞き入れてもらえないと、自分の心配や不安をないがしろにされたような気がして、つい親を責める口調になってしまうこともあるでしょう。

親子関係に悩む人

親はどう受け止めているのか

一方、親世代の心の変化の影響もあります。年齢を重ねると、「昨日できたことが今日できなくなるかもしれない不安や恐怖」と向き合うことになります。頭で考えたり、心で感じる気持ちと実際の行動のバランスがとれなくなってきた自分に対しふがいなさを感じ、それがイライラや怒りとなって表れてくるのです。

親の心理

また、子供は気を遣わなくていい存在なので、他人には見せられない感情もそのままストレートに出してしまいがちです。そのため子供世代には「最近親の気が短くなってすぐ怒るようになった」と映るかもしれません。

親と話してイラッとしてきたら

もし親世代と話していて、カチンときたりイラっとする言動をとられたら、以下のように対応してみてください。

・親の「我慢力」のタガがゆるんできていると受け止める

高齢になってくると、人は体力だけでなく精神力も無理がきかなくなってきます。
親世代は「我慢は美徳」と教えられてきていますから、個人の感情や意思を抑えてきた方が多いと思いますが、その抑える力が弱くなっているうえに、相手が子供だから遠慮がなくなり、思ったことをそのまま口に出してしまいがちです。
今まで頑張って抑圧してきた思いがくすぶってこじれていたのだなと受け止め、真正面から反論や否定をせずに「そうかもね」「なるほど」と聞き流しましょう。

親の手を支える

・怒りではなく自分が不安を感じていることに気付く

親世代の言動にイラっとしたときは、子供世代のほうも老いていく親に対し「なんでこんなこともわからなくなっているの!」などと不安を感じていることがあります。
親のせいで怒っているのではなく、自分の不安がその気持ちを引き起こしていると気づけば、売り言葉に買い言葉で親を責め立てるのではなく、「そういう考えでいるなら〇〇してみるのはどう?」というように、自分の不安を解消できるような建設的な提案に話を持っていけるでしょう。

・自分のためによかれなのだと認めてしまう

親世代に反論や提案をするときに「親のためを思って言っているのに」という大義名分を捨てましょう。例えば、親が怪我をしたら私が面倒をみなくてはならなくなるが、正直なところ忙しくて時間をとられたくないと思っているなら、それを認めて「もし怪我しても今は私が面倒みてあげられる余裕がないよ、だからバリアフリーにリフォームしよう」と言ってしまったほうがお互いスッキリします。親世代も子供に迷惑をかけたくない方がほとんどでしょうから、意外と聞き入れてくれるかもしれません。

仲の良い親子

「ケンカするのは悪いこと」ばかりとは限りません。
ケンカできる気力、パワーがあるのは親世代が元気だからこそです。また、お互いにとって「気を遣わずに思いのたけを吐き出せる相手」であるということです。たまには思い切りぶつかってみたり、さらっと受け流してみたりと、イラっとする気持ちとうまく付き合っていきましょう。


プロフィール

氏 名  佐藤 栄子
大手不動産会社で約20年、主に秘書として勤務。社員のヘルスケアも担当したことがきっかけで心理学を学ぶ。義父の介護手伝いのため会社を退職し、退職後は心理カウンセラーとして活動。電話・メール、対面などのカウンセリング、心理テスト作成、コラムの執筆を行っている。
一般社団法人 全国心理業連合会 上級プロフェッショナル心理カウンセラー認定試験 合格


「親子ネクト〜離れて暮らす親が、ふと心配になったら〜」は、離れて暮らす親を心配されているご家族向けに、親に関する様々なお役立ち情報を発信しているブログサイトです。
タイトルの「親子ネクト」は親とつながる(コネクト)をイメージしております。

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