「大丈夫?」と言われる不安【親と繋がる】

連載コラム

気遣っているはずの「大丈夫?」という声かけ

暦のうえでは立秋を過ぎ、秋の気配が近づくころですが、相変わらずの猛暑が続いていますね。自分たちはもちろんですが、離れて暮らしている親の体調も気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

私も親と離れて暮らしていますので、この時期は特に連絡するようにしています。
先日電話したとき、母親があまり食欲がなく少し瘦せてきたと話していたので心配になり、再度電話して「その後体調大丈夫?」と聞きました。
すると母親から「夏だから少し食欲が落ちているだけだと思うんだけど、大丈夫かと言われるとわからないから、もしかすると何か悪い病気なのではないかとだんだん不安になってきた。」と言われました。

こちらは不安にさせるつもりは全然なかったのですが、母親は病気かも?という疑いを抱えつつ、コロナ禍で病院に行くのも気が引けるため一人で心配な思いを抱えていたことがわかり、申し訳ない気持ちになりました。
と同時に、顔を見て話していれば伝わることでも、電話やメールなどでは伝えきれなかったり誤解を生むこともあるのだと改めて気づかされました。

高齢者 不安
周りに頼らない親世代ほど不安になりやすい

コロナウイルスに代表されるように、昨今は新たな病原の存在が明らかになったり、以前ならただの体調不良と思われていた症状に病名がつけられたりしています。それが良くも悪くもネットニュースなどで拡散されるので、親世代が「もしや自分の知らない新たな病気にかかっているのでは?」と心配になるのも理解できます。

また、「子供に迷惑をかけたくない」と強く思っているタイプの親世代だと、「大丈夫?」と言われた場合、気遣われているというより「(大丈夫ではなさそうなのに)本当に大丈夫と言い切れるのか?」と念を押されているように感じてしまう方もいらっしゃいます。子供世代にとって親の健康面は一番の心配事でしょうから、自分の不安解消のためにも親に対してアレコレ口うるさく言いがちになります。するとよけいに「自分が知らないなにかの病気かもしれない」と不安になってしまうでしょう。

 子供としても、親には元気でいてほしいという思いがあるから、つい確認口調になることもあるかもしれませんね。

高齢者 不安

声かけに迷ったときには

普段なにげなく「大丈夫?」と声をかけることは多いと思いますが、特に直接顔を合わせていない親世代に対しては、本当に大丈夫なのかそうではないのかお互い判断しづらいでしょう。

そういったときは、大丈夫の一言に加えて、さらに具体的な状況を聞いてあげるようにしてみてはいかがでしょうか。たとえば「水分はとれている?」「熱はない?」「睡眠はとれている?」「他に普段と違う気になる症状はない?」などの声掛けを加えることで、ただ漠然と不安になるのではなく、双方の「心配ポイント」が合致しやすくなるでしょう。

もちろん、健康不安に対する最終的な判断は病院で医師に確認しなくてはなりませんが、気遣うはずの言葉で親を余計に心配させることがないようにしたいものですね。

高齢者 不安


プロフィール

氏 名  佐藤 栄子
大手不動産会社で約20年、主に秘書として勤務。社員のヘルスケアも担当したことがきっかけで心理学を学ぶ。義父の介護手伝いのため会社を退職し、退職後は心理カウンセラーとして活動。電話・メール、対面などのカウンセリング、心理テスト作成、コラムの執筆を行っている。
一般社団法人 全国心理業連合会 上級プロフェッショナル心理カウンセラー認定試験 合格


「親子ネクト〜離れて暮らす親が、ふと心配になったら〜」は、離れて暮らす親を心配されているご家族向けに、親に関する様々なお役立ち情報を発信しているブログサイトです。
タイトルの「親子ネクト」は親とつながる(コネクト)をイメージしております。

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