どうする?退職金 ~受取方法と使い道~【親の生活】

連載コラム

まずは勤務先の退職金制度を確認しておきましょう

退職金の受け取り方は大きく2通りになります。

<一括受取>
退職金を一括受取した場合は退職所得となり、他の所得と合算されずに税金が計算されるため(分離課税)、国民健康保険料や介護保険料への影響がありません

退職金を一括受取した場合、勤続年数に応じた「退職所得控除額を差し引いた金額の1/2の金額に対して課税されます。

退職所得控除額の計算

例えば、23歳~60歳までの37年間勤務した場合
800万円+70万円×(37年-20年)=1990万円となります。
退職金2000万円を一括で受け取った場合には、2000万円―1990万円=10万円
10万円×1/2=5万円が退職所得となり、これに対して税金がかかります。

計算式でわかる通り、「退職所得控除」の金額は、勤続年数が長いほど控除額が大きくなる仕組みです。この勤続年数は端数が切り上げされるため、37年と1日勤務すると勤続年数は38年で計算されます。

上記の例の場合、「退職所得控除」が800万円+70万円×(38年―20年)=2060万円となり、
税金がかかることなく、受け取れるようになります。
退職日が選べる場合には、よく確認して退職日を決めることも大事です。

※以前は5年ルールと呼ばれる裏技があり、60歳でまずは企業型確定拠出年金(DC)や個人型確定拠出年金(iDeCo)等を「退職所得控除」使って一括受取、5年経過した65歳で退職金を受け取るときには「退職所得控除」が満額に復活していて、一括受取することができました。
この5年ルールが10年ルールと変わってしまいました。
5年ルールのときから、あまり知られていなく、実践している方は少なかったのですが、10年となるとますます使い勝手が悪くなり、現実的ではないかもしれません。

退職所得控除

<年金受取>
退職金を年金受取した場合は「雑所得」となり、他の所得をあわせて課税(総合課税)されます。分離課税ではないため、国民健康保険料や介護保険料への影響があります
「公的年金等控除」
を差し引くことができますが、公的年金を受け取っている場合は合算し、合計額によって控除金額が変わります。

退職金としての総額としては、受給期間中も運用されるため、運用利益が上乗せされ多くなりますが、税金や国民健康保険料・介護保険料についても考えて、受け取り方を検討する必要があります。

一括受取と年金受取を併用できる場合もあります。
この受け取り方をした場合には、一括受取した部分は退職所得、年金受取した部分は雑所得として課税されます。
一括受取の金額が「退職所得控除」の金額を超える場合には、この方法を検討するといいです。

※勤務先の退職金制度によっては、一括受取のみ・年金受取のみの選択しかない場合があります。また年金受取も5年・10年・終身など選択できる場合と、〇年と定めてある場合があります。
事前に確認しておくといいでしょう。

退職金はどう使う?

住宅ローンが残っていると完済したいと考える方が多いですが、完済すべきかを検討してから実行することをおすすめします。
住宅ローンの金利と、その分を運用した場合の金利と比較した場合、完済せずに運用して増やした方がいい可能性があります。完済することで、生活費に余裕が出るかもしれませんが、突発的な支出に対応できなくなるかもしれません。完済した後のことも考えて完済するようにしましょう。

退職金が口座に振り込まれると、なぜか銀行から電話がかかってきて、「退職金専用定期預金」を勧められる場合があります。特別金利として通常よりも高い金利を適用するとされていますが、預けてから3か月のみ高金利としている場合があり、その後は通常金利に戻ってしまうことがあります。
ポスターやチラシに書かれている金利が、いつまで続くのかをきちんと確認してから預けるようにしましょう。

「一時払保険」などを勧められて契約してしまう方も多いです。
高金利ではありますが、短期間で解約すると元本割れしてしまう場合が多いです。
運用重視のもの・保障重視のもの、円建てのもの・ドル建てのものなど、「一時払保険」にもいろいろなものがありますが、あまり比較することなく契約してしまう方が多いです。
何年間は使わないで大丈夫なお金なのか、どんなリスクがあるのかをきちんと確認してから契約するようにしましょう。

大きなお金が入ったことで気持ちが大きくなり、豪華客船で旅に出てしまう方もいます。
大規模修繕をする方や、高級車を購入してしまう方もいます。
大きなお金だからこそ、即決せずに、冷静に判断するようにしましょう。

退職することが決まったら、セカンドライフのライフプランを立てて、退職金の受け取り方や使い道について、考えることをおすすめします。
楽しく充実したセカンドライフをお過ごしください。

セカンドライフのライフプラン


プロフィール

氏 名  渡辺 美智代
1966年 神奈川県横須賀市生まれ横須賀育ち
ファイナンシャルプランナー オフィスまみぃ代表
横須賀市とその周辺の地域を中心に個別相談・相談会・セミナー講師をしている。終活カウンセラーを取得してからは、葬儀会社と連携し、葬儀後の各種手続きのサポートも行う。
実績
横須賀市の弁護士・税理士・行政書士・社会保険労務士と「横須賀知恵袋」という団体を作り、月1回の無料相談会を開催
その他の事業
「起業ママ支援ユメノタネプロジェクト」
「ファイナンシャルプランナー資格活用塾FP+」
「介護・相続サポート窓口」 他


「親子ネクト〜離れて暮らす親が、ふと心配になったら〜」は、離れて暮らす親を心配されているご家族向けに、親に関する様々なお役立ち情報を発信しているブログサイトです。
タイトルの「親子ネクト」は親とつながる(コネクト)をイメージしております。

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