1口○○円の死亡保険
生命保険での死亡保険のCMやチラシで、「持病があっても、入院・手術歴があっても申込みできます」「1口○○円で加入できます」という死亡保険があります。
引受緩和の死亡保険といって、通常の死亡保険では加入できない告知がある方でも少しの告知だけなので加入が可能になります。
100万円・200万円・300万円といった死亡保障の金額から選ぶタイプのものは、年齢によって保険料が異なりますが、保険料は一生涯変わりません。(終身保険の場合)
1口○○円といった保険料から選ぶタイプのものは、年齢・性別・保険料の口数で死亡保障の金額が異なります。
持病があっても加入できるので、保険会社によっては〇年間保障50%となるところもあります。
生命保険でのトラブルは、契約するときにきちんと確認していれば避けられることが多いです。
告知が少ないといっても、きちんと告知をしないと、給付のときにもらえなかったということがあります。
「持病があっても、入院歴があっても申込みできます」ではありますが、どんな人でも申込みできるわけではありません。診察・投薬・検査の告知部分は、特定の病名について書かれていることが多いです。その部分をきちんと確認しておきましょう。
対面での申込みであれば、事前に加入できるかの確認もできますので、担当者に確認してもらうといいです。インターネットでの申込みで、よく読まずに「いいえ」と回答してしまいますと、告知義務違反とされ給付されないということになってしまいます。
上記で保険料が一生涯変わりません(終身保険の場合)と書きましたが、引受緩和の死亡保険は、終身保険(一生涯)のものだけではありません。定期保険(期間が定まっているのもの)もあります。
保険料が安いからといって申込みをして、10年更新の定期保険で10年後の保険料が大きくアップ!ということがあります。
保険期間が終身(一生涯)なのか、定期(一定期間)なのかをきちんと確認するようにしましょう。
定期(一定期間)の場合は、更新が可能なのか、何歳まで更新が可能なのかも確認しておきましょう。
〇年間は50%保障とか、免責期間(保障されない期間)〇年という保険もありますので、こちらもきちんと確認するようにしましょう。
持病や入院・手術の内容によっては、通常の死亡保険に加入できる場合があります。
引受緩和の死亡保険は、持病や入院・手術歴がある人が加入できる分、保険料は通常の死亡保険よりも高くなっています。まずは、通常の死亡保険に加入できるかを確認することをおすすめします。生命保険でのトラブルは、確認不足がほとんどです。
対策としては、高齢者だけで説明を聞かない!インターネットや郵送で申込みさせない!です。
家族の方が代わりに質問をどんどんして、あとでのトラブルを避けるようにしましょう。
最近では、各保険会社が高齢者対応で、70歳以上の方の契約には70歳未満の家族の同席が必要になっています。仕事で忙しく同席が難しいかもしれませんが、トラブル防止のためにも同席をしてあげるようにしてください。
都道府県民共済
都道府県民共済での死亡保険は、定額の保険料で1000円・2000円・3000円などの入院・死亡セットプランになっていることが多いです。
保険料は変わらないですが、18歳~60歳、60歳~65歳、65歳~70歳、70歳~75歳、75歳~80歳で保障内容が変わり、どんどん保障が減っていきます。
また、80歳で保障が終わってしまうため、その後に死亡保険に加入しようとすると、高い保険料となる可能性が高く、病気になっていると加入自体が難しくなりますので、事前に対策しておく必要があります。
県外への引っ越しの場合、引っ越し先の都道府県に都道府県民共済があれば、移管ができます。
都道府県民共済は、毎年使わなかった保険料を分配する割戻金がありますが、これは都道府県によって20%戻るところもあれば5%しか戻らないところもあります。
都道府県民共済は、一般の生命保険にある生命保険契約者保護機構(セーフティーネット)の対象外ですので、破綻したときの保障はない点も注意しましょう。
葬儀保険
生命保険や共済での死亡保険の他に、葬儀保険というものがあります。
「保険」とあるため、同じと思われる方がいますが、ミニ保険と呼ばれる少額短期保険です。(保険会社によっては、おそうしき共済など名称が異なるものがあります。)
生命保険の定期保険とは異なり、保険料が数百円・数千円と安いイメージがあります。
それは1年契約の保険だからです。若いときには驚くほど安い保険料で加入できますが、5歳刻みで保険料が上がるといった仕組みのため、50万円の死亡保障が60歳では400円程度だったのが、100歳では25,000円という感じで大きく上がります。
また、契約してから3か月の待機期間がありますというものもあります。
生命保険同様で、保険料のことや待機期間のことは、パンフレット等にも書かれていますので、きちんと確認しておけばトラブルになることはありません。
共済と同様、保険会社が破綻してしまった場合に、生命保険のような契約者保護機構の対象にはなっていません。また、生命保険料控除の対象にはなっていません。
このことにも注意して、検討するようにしましょう。
互助会
保険の他にも、葬儀費用を準備するための互助会というものがあります。
互助会は、冠婚葬祭互助会の会員が掛け金を出し合って積み立てていくという仕組みです。
経済産業大臣の認可事業で、積立金は葬儀費用に充当できるのですが、月1000円~5000円を60回・120回で積立をするものなので、それだけでは葬儀費用には足りないため、追加費用がかかることが多いです。
また、積立金はどこの葬儀社でも使えるわけではなく、その互助会での葬儀社を選ばないと充当できません。そのため、親が互助会に加入していたことを知らずに、他の葬儀社を使ってしまうことがあります。
互助会はもう不要と解約しようとして、解約できない・解約金が少ないなどのトラブルが発生します。
互助会でのトラブルは、解約するときが一番多いです。
互助会は解約時には解約手数料が10%~20%かかり、積み立てた金額全額が戻ることがありません。互助会は解約したら積立金より少ないと思っているといいです。
互助会は名義変更で家族へ権利を譲渡することができます。
また、葬儀のときに一般価格より40%~50%も安い会員価格で葬儀のサービス利用できるだけでなく、子どもの結婚式や成人式などでも会員価格で使えることがあります。レストランや宿泊施設なども会員価格で利用できることもあります。
その点も考えながら、検討するといいと思います。
保険も互助会も、加入するときにきちんとした説明受け、詳細を確認することでトラブルを避けることができます。
そのためには、インターネットや郵送で簡単に手続きせず、対面で手続きすることが重要です。
新聞にはさまれたチラシやテレビでのCM広告、高齢者だけを対象とした電話での勧誘で加入してしまうことが多いです。安易に加入しないようにアドバイスしておきましょう。
そして、高齢者だけで説明を聞かず、若い家族の方が同席して説明を聞き、手続きするようにしましょう。
プロフィール
■氏 名 渡辺 美智代
1966年 神奈川県横須賀市生まれ横須賀育ち
ファイナンシャルプランナー オフィスまみぃ代表
横須賀市とその周辺の地域を中心に個別相談・相談会・セミナー講師をしている。終活カウンセラーを取得してからは、葬儀会社と連携し、葬儀後の各種手続きのサポートも行う。
■実績
横須賀市の弁護士・税理士・行政書士・社会保険労務士と「横須賀知恵袋」という団体を作り、月1回の無料相談会を開催
■その他の事業
「起業ママ支援ユメノタネプロジェクト」
「ファイナンシャルプランナー資格活用塾FP+」
「介護・相続サポート窓口」 他
「親子ネクト〜離れて暮らす親が、ふと心配になったら〜」は、離れて暮らす親を心配されているご家族向けに、親に関する様々なお役立ち情報を発信しているブログサイトです。
タイトルの「親子ネクト」は親とつながる(コネクト)をイメージしております。
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