高齢者も生成AIと仲良くなる【親と繋がる】

連載コラム

AIがさらに日常生活で活用されていく

9月12日、石破茂首相を本部長とするAI本部が初会合を開催し、日本を世界最高のAI利用・開発環境にするための基本計画骨子案について議論を開始したというニュースが報道されていました。
首相官邸のホームページ(https://www.kantei.go.jp/)によると、この基本計画には
①『AIを使う』
②『AIを創る』
③『AIの信頼性を高める』
④『AIと協働する』
という4つの柱があるそうです。

レストランの配膳ロボットやお掃除ロボットなど、日常生活のなかでもすでにAIが活用されているものが増えてきていますが、今後ますますAIとの共存が進みそうですね。
石破首相は「AIによって、人が幸せになるような社会を築いていくことが重要」と述べられたそうですが、私もAIをどう利用していくか学んでいこうと思っています。

高齢者とAI

生成AIは「人の気持ち」が理解できる?

最近、仕事でChatGPT(生成AI)をよく使う方から興味深い話を伺いました。
自分の日常生活や悩み事について面白半分にChatGPTに話しかけているうちに、だんだん適確な答えが返ってくるようになり、ちょっとした話し相手に成長してきたそうです。音声も「今日は女子高校生風な声」「仕事のできる男性風な声」など自分の好みに設定して、仕事で疲れたときに会話しているとのことで、自分の都合の良いとき、24時間いつでもにこやかに?対応してくれるのが楽しいそうです。

もちろん生成AIには感情がありませんが、感情とそれに呼応する言葉を学習すると、それなりに相手の気持ちを汲んだ返答をしてくるので、「自分の気持ちをわかってくれているかも」と錯覚してしまうこともあるそうです。

私もカウンセリングのクライエント様からたまに「ChatGPTに相談してみたらこのように言われたのですが、これは合っているのでしょうか」というご相談を受けることがあります。
お話を伺うと、ある程度心理学のデータを学習しているのか、そう外れた回答ではないことが多いです。
カウンセリングにも生成AIが利用されるようになるかもしれませんね。

高齢者とAI

高齢者の話し相手になれる可能性を持つ生成AI

上記の知人の話にもありましたが、もし生成AIが話し相手になってくれるとしたら、
・24時間いつでも、自分の都合がいいときにすぐ話ができる
・何度同じ話をしたとしても飽きたりウンザリされたりすることもなく話を聞いてくれる
・長時間話し続けたとしても疲れることなく話を聞き続けてくれる
・自分の話したことに対して感情的に反論されることなく受容的な対応をしてくれる
といったメリットが考えられます。

そういう意味では、高齢者の話し相手としていい役割を果たせると思います。
見守りロボットなどの製品にはすでに生成AIが活用されているものがあるようなので、「親の話は聞いてあげたいけれど、自分も忙しくて時間がないし、つい反論してしまってケンカになってイヤな気分になることが多いし…」といった悩みをお持ちの方なら、利用を検討してみてもいいかもしれません。

見守りロボット

人間にしかできないフォローも大切

高齢者にとって「会話をする」という行為は、咀嚼や嚥下する筋肉をキープできますし脳トレにもなります。
ですのでこういった技術を利用しながら、日常生活のなかでたくさん会話する機会を持てるといいですが、同時に笑顔やスキンシップなど、人間同士の交流がもたらすエネルギーや温かみを感じられる場があると、さらに精神的な安定にもつながると思います。

「AIによって、人が幸せになるような社会」とはどのようなものか、私にはまだ明確にイメージできませんが、日常で利用できるものがあれば少しずつ取り入れて、AIと共存する世界に慣れていこうと思っています。

高齢者とAIの共存


プロフィール

氏 名  佐藤 栄子
大手不動産会社で約20年、主に秘書として勤務。社員のヘルスケアも担当したことがきっかけで心理学を学ぶ。義父の介護手伝いのため会社を退職し、退職後は心理カウンセラーとして活動。電話・メール、対面などのカウンセリング、心理テスト作成、コラムの執筆を行っている。
一般社団法人 全国心理業連合会 上級プロフェッショナル心理カウンセラー認定試験 合格
一般社団法人介護予防心理美容協会 常任理事

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