親につい怒鳴ってしまう思い【親と繋がる】

連載コラム

頭では親に優しく接したいと思っていてもできない

今年もゴールデンウイークが終わりました。この連休を利用してご実家に帰省なさった方もいらっしゃると思います。

久しぶりに親と顔を合わせる機会が多くなる時期には、親の言動にイライラしてついきつい口調になり、親と気まずい空気になるというお話をよく伺います。
「親はもう年も年だから労わらなくてはいけない、優しく接しなくてはいけない」と頭では理解していても、いざ親を目の前にすると感情が先走って、考えている通りには振舞えないようです。

中には親に怒鳴った後でいつも罪悪感に苛まれ、自分自身や自分の人生に対してもネガティブな気持ちになり落ち込むという方もいらっしゃいます。
せっかくの家族水入らずの時間、できれば穏やかに過ごしたいものですよね。

親にイライラする

親に対しての思いこみや子供時代の気持ちが表面化する

身内だから遠慮がなく、お互い言葉を選ばないため険悪になることもありますが、衰えていく親に対してきつく当たってしまう方は、自分が子供時代親に甘えたかったのに充分甘えさせてもらえなかった不満や、何らかの理由でずっと親に気を遣っていた(顔色を窺っていた)思いが今になって怒りと化し、表面化している場合があります。

カウンセリングで子供時代の話を伺うと、親に厳しく育てられた、ご本人が優秀で親にやや過大な期待をかけられていた、逆にきょうだいが優秀で本人はほっておかれていた、両親が不仲だった、仕事や家族の介護などで親が二人とも多忙だった等のケースが多いのです。

すると「甘えたい思いをまだ親に満たしてもらっていないのに、こちらに頼って甘えてくるのは受け入れられない」「あれだけ自分に厳しかったのだから、親のほうこそ老いてもしっかりするべき」といった苛立ちを抱えているので、親が期待と反する言動をすると責めたくなるのだと思います。

親を責めて後悔する

怒りの気持ちが沸き起こったら

親子は関係が近いだけに、つい感情的に怒ってしまうのはある程度仕方ないことですが、その後自己嫌悪になるような状態であれば以下の2つをおすすめします。

・怒りが沸き起こったときに「親は明日亡くなるかもしれない。それでも今、怒りをぶつけておきたいか」と自問する
→「親はずっと元気に生きている(頼れる存在である)べき」という思い込みが強いと、老化した親を受け入れがたくなります。親が明日いなくなるとしたら、今どう対応したいかを考えてみてください。

・お互い冷静なときに親に「本当はこうしてほしかった」と自分の気持ちを話してみる
→言葉にして伝えることで自分の気持ちのわだかまりに気づけます。そして親の反応がどうであっても、「もう自分は親を超えたのだな」という感覚になったら、怒りが薄らぎやすくなります。

離れて暮らしていると、会ったときに親がいきなり老化してしまったような印象を受け、驚くことも多いでしょう。やはり普段からこまめにコミュニケーションをとっておくことが大切だと思います。

親とコミュニケーション


プロフィール

氏 名  佐藤 栄子
大手不動産会社で約20年、主に秘書として勤務。社員のヘルスケアも担当したことがきっかけで心理学を学ぶ。義父の介護手伝いのため会社を退職し、退職後は心理カウンセラーとして活動。電話・メール、対面などのカウンセリング、心理テスト作成、コラムの執筆を行っている。
一般社団法人 全国心理業連合会 上級プロフェッショナル心理カウンセラー認定試験 合格


「親子ネクト〜離れて暮らす親が、ふと心配になったら〜」は、離れて暮らす親を心配されているご家族向けに、親に関する様々なお役立ち情報を発信しているブログサイトです。
タイトルの「親子ネクト」は親とつながる(コネクト)をイメージしております。

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