親を喜ばせるのは難しい【親と繋がる】

連載コラム

サプライズプレゼントは逆効果?

皆様は親の誕生日やなにかの記念日などにサプライズ企画を考えたり、旅行を計画したりしたことがありますか。

先日、親の誕生日にサプライズ旅行を企画した方のお話を伺いました。いつも行く温泉旅館に一泊と親には話しておきつつ、実際はもっと豪華な旅館に連れていって、きょうだい家族も呼んでみんなでお祝いすることにしてひそかに色々準備したそうです。
そして当日、企画通りに事を運び、めでたく親へのサプライズ成功!となったはずだったのですが、親は「面食らった」という表現がぴったりで、喜びより驚きや緊張が漂う複雑な表情で笑顔が少なく、用意されていた美味しそうな食事を見ても「今日は〇〇が食べたかった」とつぶやくなど、事前準備の手間暇の割にはあまり喜んでいなさそうで気落ちしたとのことでした。

実はわが家も同様なことがあり、娘が「今までおばあちゃんにお世話になったお礼に、サプライズのお食事会を企画したい」と言い出し、家族で密かに色々準備したのですが、最終的に喜びはしたものの、どちらかといえば戸惑いのほうが強く、娘の思ったような反応は得られませんでした。

準備する側は親が喜ぶだろうという期待が強いだけに、あまり喜ばれないとガッカリしてしまいますよね。

高齢者 サプライズ

安定が第一、変化には対応しずらい親世代

介護施設に勤務する方から「高齢者は一旦、こうであると認識したことに対する想定外の出来事に臨機応変に対応することは難しくなるので、予定の変更などは極力避けるほうがいい」と聞いたことがあったのですが、たとえ親本人にとって楽しい、喜ばしいことであったとしても「サプライズ企画→認識と違うこと」には頭がすぐに切り替わらず、驚きや不安につながってしまうのだとしみじみ感じました。

 誰でも年齢を重ねると保守的になりがちで、未知のものや新しいことを遠ざけてしまいます。特に規則正しく毎日を過ごしている親世代にとっては、予測可能な生活リズムが乱れず、変化のない状態のほうが安心できるのでしょう。

 しかし、あまりに変化がなく、刺激が乏しすぎるのも親の認知機能の低下が心配になります。離れて住んでいると普段の生活で働きかけができないので、やはり食事や旅行に連れ出したくなりますよね。

変化に対応しずらい高齢者

刺激と安心のバランスが必要

サプライズ企画は相手が「想定外な出来事に驚き、かつ喜んでくれる」ことが醍醐味ですが、高齢者だと驚きだけで頭がいっぱいになってしまう可能性が高いので、刺激と安心のバランスを取ることが大切だと私自身も実感しました。
また加齢に伴い、親世代の考えや好みが変化していることがあり、それに気づかずに企画倒れになってしまう場合もあるでしょう。

親と一緒の旅行や外食などの非日常イベントを企画するときは、ある程度事前に親の希望を聞いておき、そこからあまりかけ離れないようにしつつ、ちょっとした秘密のサプライズを組み入れるくらいがちょうどいいのかなと思います。

後でゆっくり写真などを見ながら「楽しかった」と親に思ってもらえると嬉しいですね。

高齢者


プロフィール

氏 名  佐藤 栄子
大手不動産会社で約20年、主に秘書として勤務。社員のヘルスケアも担当したことがきっかけで心理学を学ぶ。義父の介護手伝いのため会社を退職し、退職後は心理カウンセラーとして活動。電話・メール、対面などのカウンセリング、心理テスト作成、コラムの執筆を行っている。
一般社団法人 全国心理業連合会 上級プロフェッショナル心理カウンセラー認定試験 合格


「親子ネクト〜離れて暮らす親が、ふと心配になったら〜」は、離れて暮らす親を心配されているご家族向けに、親に関する様々なお役立ち情報を発信しているブログサイトです。
タイトルの「親子ネクト」は親とつながる(コネクト)をイメージしております。

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