それぞれの里帰り【親と繋がる】

連載コラム

年が明けると増えるご相談

2023年がスタートしました。お正月休みはゆっくり過ごせましたでしょうか。

さて1月や8月の帰省シーズンを過ぎるとカウンセリングのご相談で増えるのが「義理の親とのコミュニケーションが難しい」というものです。ほとんどが女性、いわゆる「お嫁さん」の立場で、帰省中はなにかと義親に気を遣い疲れてしまう、子育てや仕事について義親が自分の経験から口出ししてくるのにイラっとするという内容が多いです。

自分の親であれば少々甘えてのんびり過ごしたり、遠慮なく反論したりすることもできるでしょうけれど、配偶者の親となるとそういうわけにはいきませんよね。まして、他の親戚や兄弟家族も一同に会していたりすると、さらに気疲れを感じてしまうのも無理はありません。

お互いが頑張りすぎているかもしれない

もとから険悪な関係である場合は別として、離れて住んでいてたまにしか会えないから義理親も「おもてなしせねば」「何か役に立つことを言わなくちゃ」などとつい頑張りすぎてしまうのかなと感じます。お話を伺うと、言い方はともかく、悪意を持った言動ではなさそうなケースが多いです。
ただ、その頑張りが相手にとってどう受け止められているかを想像する気持ちの柔軟性が保てなくなっているのですね。

お嫁さんのほうも、たまの帰省だし義理親には良い印象を持っていてもらいたいという気持ちで、いつもより頑張って動かねばと自分を奮い立たせているかもしれません。
しかし親のほうは、頑張っている姿を「普段のお嫁さんの行動」と認識するので、特段に感謝の気持ちを表すこともなく、それがまたお嫁さんを苛立たせることになるのでしょう。

このようにお互いの頑張りが、すれ違いやイライラのもとになっているケースが多いように感じます。

今後を考えてそれぞれ帰省する

人生経験や育った環境が違う親子世代がそれぞれ年齢を重ねると、妥協点を見つけるのが難しくなります。子供が言葉で違和感を説明して、親がその場では理解したとしても、時間がたてばまた同じことを繰り返してしまうでしょう。
そうなると、ある程度の距離感を持っているほうが良い関係を保てると思います。

自分の子供が小さいうちは難しいかもしれませんが、人生後半の年齢になったら、夫婦それぞれの実家に分かれて帰省してもいいのではないかと思います。
どちらの親も高齢になっているので、今のうちに実親にたくさん会っておきたいと説明すれば納得されやすいでしょう。
実際、親も気を遣うでしょうから、自分の子供だけのほうが気楽に迎えられそうです。

そのかわり、お互いの義理親にはいつでもリモートで挨拶できるようにネット環境を整えておけば、疎遠になってしまうことも防げます。

年齢を重ねるとだんだん無理することが辛くなってきます。今後は義理親といかにストレスの少ないお付き合いをしていくか、考えてみてもいいかもしれませんね。

親とリモート


プロフィール

氏 名  佐藤 栄子
大手不動産会社で約20年、主に秘書として勤務。社員のヘルスケアも担当したことがきっかけで心理学を学ぶ。義父の介護手伝いのため会社を退職し、退職後は心理カウンセラーとして活動。電話・メール、対面などのカウンセリング、心理テスト作成、コラムの執筆を行っている。
一般社団法人 全国心理業連合会 上級プロフェッショナル心理カウンセラー認定試験 合格


「親子ネクト〜離れて暮らす親が、ふと心配になったら〜」は、離れて暮らす親を心配されているご家族向けに、親に関する様々なお役立ち情報を発信しているブログサイトです。
タイトルの「親子ネクト」は親とつながる(コネクト)をイメージしております。

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