この季節、料理屋さんでは前菜などに吹き寄せを演出します。
私も吹き寄せを考えたり盛り付けたりするのが大好きで、赤色や黄色、茶色や緑色などなど、色とりどりの食材でお客様をおもてなしします。
吹き寄せとは
紅葉やいちょうの葉、栗やぎんなんが落ちてそれらが風で集まった様子の事です。
では料理ではどのようにするかというと、栗渋皮煮、塩煎り銀杏松葉刺し、いちょう芋、紅葉人参、松葉蕎麦。
これらに、子持ち鮎甘露煮、川海老、サヨリ菊花寿司、魳幽庵焼きなどの海や川の旬の幸を合わせて作り上げます。
また、芋とすり身を合わせたものに茶そうめんをくっつけてイガグリを作ったり。
紅葉やいちょう、柿の葉や松葉をあしらいます。
見た目にも動きがあって秋の哀愁を感じられる、一枚の器で様々な表現が出来る日本ならではの趣のあるヒトサラです。
良くも悪くもぎんなん、食べ過ぎに注意!
ぎんなんにフォーカスしてみましょう。
何とも言えない味わいのぎんなん、美味しいですよね。
栄養価というと、ビタミンC、カロテン、でんぷん、そしてカリウム、マグネシウム、リン、鉄などの骨を形成するミネラルも豊富に含まれています。
ゆえに古くから中国をはじめ、日本でも薬として活躍しています。
その半面、注意が必要で、メチルビリドキシンという中毒物質も含まれ、食べすぎると痙攣などの中毒症状が出る場合があるので、ほどほどにしましょう。
下ごしらえ
・殻を割る
・実を取り出して薄皮をむく
調理方法
・天ぷら
・塩煎り銀杏
・茶碗蒸し
・土瓶蒸し
生食以外はほぼ全ての調理法で召し上がれます。
二種類の塩煎り
薄皮まで剥いて実の状態で塩煎りする方法と、殻を割って塩煎りする方法、二通りあります。
簡単に説明すると、
剥き実の状態
①小鍋にぎんなんの実を入れる。
②ひたひた位に水を張る。
③精製塩をお好み量入れる。
④強火で水分がなくなるまで加熱し、ぎんなんを鍋の中で転がす。
⑤塩が身の回りに粉吹き状に付着すれば出来上がり
殻付きの状態
①殻に割れ目を入れて殻のついたまま水に漬ける。
②たっぷりの塩を小鍋に入れる。
③水からぎんなんを取り出して濡れたまま塩の鍋に入れる。
④強火~中火で鍋を振りながら加熱する。
⑤殻の表面がしっかり乾いて水分で纏わりついた塩がなくなれば出来上がり。
美味しい日本酒と一献、いかがですか?
お好みのおちょこで、離れて暮らす親御さんとご一緒に。
この季節だからこそ楽しく出来る親孝行。
素敵な秋の夜長を楽しんで下さいね。
プロフィール
■氏 名 青山 憲正
1965年 京都生まれ京都育ち
京都商業高校卒業後、京料理の世界へ。
宮川町や先斗町の料理屋、京都ホテル(現 京都ホテルオークラ)などで修業を積み、京都宝ヶ池プリンスホテル(現 ザ・プリンス京都宝ヶ池)の和食料理長に就任。京都 西陣 お料理あお山 店主、レストランサントリーメキシコ総料理長、宮川町水簾東京ミッドタウン店料理長、某社会長のパーソナルシェフなどを経て、現在、金谷ホテル観光株式会社調理部部長及び鬼怒川温泉ホテル料理長を兼務する。
■実績
秋篠宮ご夫妻、小泉元総理をはじめ各界の方々から一般消費者の方々のお料理
■商品開発
生産者と消費者をつなぐ第六次産業ビジネス、電子レンジ特化型商品、糖質制限食、高齢者要介護者向けお食事 他
■掲載歴
専門料理 婦人画報 メイプル HANAKO(準グランプリ獲得)京都新聞 他
■教育
和食ワールドチャレンジ優勝者排出 フードコーディネータースクール講師 他
「親子ネクト〜離れて暮らす親が、ふと心配になったら〜」は、離れて暮らす親を心配されているご家族向けに、親に関する様々なお役立ち情報を発信しているブログサイトです。
タイトルの「親子ネクト」は親とつながる(コネクト)をイメージしております。
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