シニア層のSNS利用トラブル急増
コロナ禍でシニア層のスマートフォン利用率が上がっています。2021年1月のNTTドコモモバイル社会研究所の調べでは60代のスマホ所有率は80%、前年に比べて11%も増え、70代でも62%に達しています。SNSを月に1回以上利用している人の割合を見ると、一番多いのは「LINE(ライン)」で、60代は74.3%、70代は62.9%です。次に多いのはFacebookで70代は20.3%、3番目はTwitterで70代は16.8%だそうです。
それに伴い、SNSユーザー同士のトラブルも急増しているようです。LINEでグループを立ち上げたはいいが、最初は互いに気遣いマナー良く利用していたのが、だんだん慣れてきて気安さからか、家族の愚痴や嫁の悪口を書き込む人や、あっちが痛いこっちが痛いなど病気の話ばかりで気が滅入る相手も。それをさりげなく注意して明るい話題にもっていこうとして、かえって相手の機嫌を損ねて仲間割れするケースが多いです。
Facebookはプロフィールに会社名や出身校などの登録情報もあり、「知り合いかも」と自動表示されることがあります。「転職前の会社の上司や同僚など、つながりたくない人が表示されて困惑する」ケースも多いようです。また、高齢者は床屋政談の延長で、これまでの経験をひけらかしたり、そのプライドから偉そうなことを言ったりしてトラブルを招きやすいとも聞きます。
SNS利用の注意点は、〈互いの表情や仕草、声色がわからないからニュアンスを伝えたり、相手との距離感を測ることがむつかしいこと〉を肝に銘じ、〈真意とは違った解釈をされることがある〉ということを忘れないようにしましょう。
ネットショッピング〈お試し無料〉にご用心
コロナ禍でネットショッピングは大はやり。必要な物を街に出て感染の危険を冒すことなく購入できるので利用者も急増しています。そこで注意したいのが〈今ならお試し無料〉という広告です。
「うちの母がその広告を見て健康食品や化粧品などを大量に申し込んでいました。帰省した時に母が『無料お試しだから』と得意顔でいうものだから、ちょっとおかしいなと思い、母の口座通帳の明細を見ると、毎月カード引き落としになっているものがたくさん見つかって、あわてて解約しました」
この〈お試し無料〉が曲者で、詳細に説明書きを読むと、〈定期購入の初回のみ無料〉という契約になっていたのです。
2020年に全国消費生活センターに寄せられた60歳以上の相談で、ネットショッピングでの定期購入に関する相談は約1万4千件と過去最多を記録しています。
ショッピングカートの確認画面に注意
もう一つショッピングサイトでシニア層が陥りやすいのが、買い物カートの入力ミスです。
「いつも愛飲している青汁の粉末を50包入りを2箱注文したつもりが、間違って20箱注文してしまった。ショッピングカートの確認画面でミスに気づきましたが、カートの中身を削除する方法がわからなくて、けっきょくそのまま決済しました」
ショッピングサイトでは、カスタマーサービスで返品や交換を受け付けていますが、手続きにはアカウントの確認が求められたり、メールやチャットによる問い合わせ画面が優先的に表示されたりします。操作に不慣れな高齢者にはこの仕組み自体ハードルが高いのです。
新手なフィッシング詐欺
アマゾンやネットフリックスなどの定額動画配信サービスを楽しむシニア層も増えています。好きな洋画や日本映画、海外の人気ドラマ番組などが満載で、地上波や衛星波との競争も熾烈です。契約もネット上で簡単に手続きができ、月額もリーゾナブルなので利用者が増えているのだと思います。
ところが最近、それを悪用したフィッシング詐欺が横行しています。フィッシング詐欺とは、カード会社や会員になっている利用サイトを装ったメールを送信し、偽サイトに誘導してクレジットカード情報を盗み取る手口です。
「当サイトのサービスの支払い手続きが中断しました。下記(URL)より再手続きしてください」「別の端末からサインインが行われました。心当たりがない場合はパスワードのリセットをしてください」「カードの利用が停止しました」などの偽メールが最初に届きます。メールにはリンクが記載されており、クリックすると本物そっくりのサービスページに移ります。最初に解説するのがID・パスワード変更の催促で、IDやパスワードなどを入力すると、それらの情報が攻撃者の手に渡ってしまい、アカウント乗っ取りやクレジットカードの不正利用などの被害に遭うのです。
身に覚えのない高額のJRチケット、航空券、商品券などが自分のクレジットカードで購入されている、そうした被害が増えています。最近はネットショッピング、定額動画配信サービス、書籍購入など、カード支払いでの利用機会が増えています。フィッシング詐欺にはくれぐれもご用心を。
<親子ネクトーク〜ご両親にお伝えください〜>
高齢の親たちをターゲットにした架空料金請求詐欺も横行しています。未払いの料金があるなど架空の事実を口実とし金銭等をだまし取る(脅し取る)手口です。インターネットサイト事業者などを名乗る犯人から、インターネットの未納料金が発生しているなどの名目で、スマートフォンにショートメッセージ(SMS)が送られたり、法務省や裁判所などの名称で自宅にはがきが送付され、実際には使用していない料金を支払わせようとする詐欺です。SMSやはがきを受け取った被害者が本文に記載された電話番号に電話をかけると、「払わなければ裁判になる」「今日払えば大半が返金される」などと言われ、払ったほうが良いと思い込まされてしまいます。こんなSMSに注意しましょう。
「有料サイトの利用料金が未納です。早急にお支払いが必要です。延滞料金は毎日加算されますし、◯日までに料金を支払わないと裁判になります」
「コンビニエンスストアで電子マネーカードを購入して、カード番号を教えてください」
裁判という言葉をちらつかせることで、被害者の不安感をあおります。また、「保険が使えるから全額返金される」などと言うこともありますが、すべて支払わせるための嘘です。事業者、法務省や裁判所などが「未納料金などの支払い」の名目で、コンビニエンスストアで、電子マネー(プリペイドカード)を購入させることは絶対にありません。
●ハガキなどにある連絡先には連絡しない
●「現金送れ」「コンビニで電子マネーを買って」という案内は相手にしない
●個人情報や暗証番号を教えない
「親子ネクト〜離れて暮らす親が、ふと心配になったら〜」は、離れて暮らす親を心配されているご家族向けに、親に関する様々なお役立ち情報を発信しているブログサイトです。タイトルの「親子ネクト」は親とつながる(コネクト)をイメージしております。
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