親を犯罪から守るには【親と繋がる】

連載コラム

多発する強盗事件

昨年から多発している強盗事件のニュースが報道されるたびに、離れて暮らす親のことが心配になった方も多いのではないでしょうか。少しずつ事件の詳細が明らかになってきていますが、治安が良く安全な国と言われている日本でもさらに防犯に対する意識を上げていかなくてはなりませんね。
玄関などの開口部に鍵の数を増やしたり赤外線センサーをとりつけたり、高齢者でも取り扱いが簡単な防犯グッズは今色々と販売されています。おそらく親が自分で探すのは大変でしょうから、代わりにチェックして親のニーズに合っていそうなものを教えてあげてもいいかもしれません。

防犯センサー

個人情報を明かさない難しさ

自宅の施錠などのハード面は強化しやすい一方、個人情報の流出を自らの努力だけで止めるのはかなり難しいと思います。普段インターネットを利用しない高齢者であっても、家電製品や自家用車の購入、自宅の修理などの履歴データが出回ってしまう可能性がゼロとはいえません。
また、ネットを活用している高齢者は有名企業の名前を語る詐欺メールに引っかかることが多いと聞きます。電話ならば「おかしいな」と冷静になれるときもあるのでしょうけれど、デジタル世界の仕組みにはついていけないという苦手意識が「大手、有名企業の名前なら安心」という思い込みを生み、まずは疑うという気持ちをなくしているのかもしれません。

高齢者 インターネット詐欺

今できる限りの対応策をとる

デジタル技術の活用で社会や生活の形がどんどん変化していくなか、高齢の親を現代の犯罪から守るために、最近よくお聞きする対応策を挙げてみます。

・固定電話を解約し携帯電話に切り替える
固定電話番号は電話帳に記載されていた経緯もあり、もっとも出回っている個人情報と言われています。振り込め詐欺に代表される特殊詐欺も、電話での対応がきっかけになります。高齢になると電話で日常に連絡をとりあう相手も限られてくるので、思い切って固定電話を携帯電話に変えるのは良いと思います。そして親しい人にのみ番号を知らせて、かつその方たちの電話番号を登録しておいてそれ以外の電話はいったん留守電に入れるようにします。

高齢者 固定電話

・怪しいメールやショートメッセージの内容を知らせる
詐欺メールはどんどん進化していて、内容にもバリエーションが増えています。そういった悪質メールのまとめ版をたまにチェックして親に教えてあげたり、自分に届いた迷惑メールをサンプルとして伝えて、大手企業の名前が入っていてもすぐ信用せずに公式サイトで内容を確認するように習慣づけてもらうなど、ネットとの付き合い方を親に伝授していきます。

・支払い関係は極力振込にする
公共料金以外にも新聞や牛乳など、毎月集金されるものは極力銀行振り込みやクレジットカードを利用して、第三者に家の中を見せないようにします。他に「不用品を引き取る」という触れ込みで、家にどんなものを置いているかチェックするという手口もあります。いくらいい人そうに見えても、個人の生活や暮らし向きを外部の人に知られないように注意したほうがいいでしょう。

高齢者 コミュニケーション

そしてやはり、普段から親とコミュニケーションをとっておくことが一番大事であると思います。周りの人とのつながりは大切にしつつ、身を護る意識はお互いが持っていたいですね。


プロフィール

氏 名  佐藤 栄子
大手不動産会社で約20年、主に秘書として勤務。社員のヘルスケアも担当したことがきっかけで心理学を学ぶ。義父の介護手伝いのため会社を退職し、退職後は心理カウンセラーとして活動。電話・メール、対面などのカウンセリング、心理テスト作成、コラムの執筆を行っている。
一般社団法人 全国心理業連合会 上級プロフェッショナル心理カウンセラー認定試験 合格


「親子ネクト〜離れて暮らす親が、ふと心配になったら〜」は、離れて暮らす親を心配されているご家族向けに、親に関する様々なお役立ち情報を発信しているブログサイトです。
タイトルの「親子ネクト」は親とつながる(コネクト)をイメージしております。

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