『朝』を親世代の健康に活用する

連載コラム

子世代が親世代と生活面で異なることの一つに「1日の生活リズム」があります。
例えば「朝」は子世代が自分の「1日の準備や子供の世話などで大変」なのに対して、朝に「ゆとりがある」のが親世代です。

高齢になると朝早く目が覚め、朝早くから「自分の時間として活動できる」のが親世代です。
その特性を生かし、高齢者向けの催事やイベントを早朝に実施する施設や企業もあります。
一方、「夜」は子世代が自分の時間として有効に活用できますが、親世代にとって夜は元気がありません。子世代が自分の都合に合わせて、夜にゆっくり落ち着いて親世代と電話したくても、親世代は夜が苦手でそれが親世代にはつらいことを理解してください。

そのため、親世代への気遣いは「朝を有効活用する」ことが大切です。
朝、早く眼が覚め、布団の中で朝のNHKラジオ「ラジオ深夜便」を聞く親世代も多く、また、旅行などで朝早くから出かけることは親世代にはあまり気になりません。

高齢者 朝の有効活用
そこで、今回は「『朝』を有効活用し、親世代の健康を維持する」方法を提案します。

朝日を浴びることで健康になる

親が朝早く目覚めるなら、朝の陽ざしを思い存分、浴びて欲しいものです。「朝日を浴びる」ことで体に「セロトニン」が作られることが健康によいからです。幸せホルモンとして知られる脳内物質の「セロトニン」は、朝日を浴びることで分泌量が増加します。
さらに、免疫力を増強する「ビタミンD」も日光を浴びることで生成されます。1日の健康を守るためにも、親世代には、朝、起きたらまずカーテンを開けて窓から光を取り入れ、深呼吸することから一日をスタートしていただきましょう。

高齢者 朝日を浴びる

朝の散歩をする

親世代には朝の散歩に出かけるよう勧めしましょう。散歩は高齢者にも気軽にできる運動で多くの高齢者が散歩しています。朝の新鮮な空気を吸っての散歩は、季節の変化を全身で感じることができます。
「春」には「梅や桜の花、小鳥のさえずり」、「秋」には「もみじ、いちょうなどの紅葉」を楽しみながらできる散歩は、季節の移り変りを実感できますので、ご高齢夫婦が一緒に楽しい会話しながらの散歩はお勧めです。

高齢者 朝の散歩

歩き方の工夫をする

まずは、毎日散歩する習慣を身につけていただくといいですね。散歩する際は背筋を伸ばし、お腹から前に出して歩くなど、姿勢にも気を付けると、いつまでも、若々しい姿勢を保つことができます。散歩になれたら、「早足」と「ゆっくり足」を組み合わせて行う方法を取り入れると、散歩による健康効果が高まります。週1回以上散歩やウォーキングする高齢者は年々増え続け、最近では半数近くもいるという調査結果もあります。

自宅でラジオ体操やテレビ体操をする

また、家の近くでラジオ体操が開催されているならぜひ参加されるようお勧めください。ラジオ体操は高齢者にも運動しやすく全国で多くの人が参加しており、仲間と一緒に体操することで、人との会話ができ孤独からの解消にも繋がります。
ラジオ体操以外にも、テレビ体操もあります。10分間程度で無理なくできる体操の中には体によいことが沢山盛り込まれています。毎日、放送されていますので、手軽に実施することができます。
録画すれば、何回でも自分の都合の良い時に体操することができます。

高齢者 朝の体操

また、朝は1日のはじまり、「しっかり食べること」が健康維持につながります。朝、栄養バランスが崩れると、免疫力が低下しますので体によくありません。少量で良いから栄養バランスを考えた食事をとると良いですね。

高齢者 栄養バランスの良い朝食

今回は朝を活用し、親世代に健康になっていただく方法をいろいろ提案しましたが、親の体力、体調に合わせてできることから実施しましょう。


プロフィール富田眞司

氏 名  富田 眞司
名古屋大学卒業後、広告会社やメーカーなどで企画業務を担当、定年後執筆した「A4・1枚究極の企画書」などの企画書本は20冊。韓国語、タイ語などにも翻訳される。
2012年、企画とシニア目線を生かし、日本元気シニア総研設立 代表に就任、現在、最高顧問でシムライフ最高顧問も兼ねる。『シニアビッグビジネスの可能性』など、需要創造テーマの講演や、日経MJ、夕刊フジで連載などの執筆、テレビ出演、全国での講演など多数。


「親子ネクト〜離れて暮らす親が、ふと心配になったら〜」は、離れて暮らす親を心配されているご家族向けに、親に関する様々なお役立ち情報を発信しているブログサイトです。
タイトルの「親子ネクト」は親とつながる(コネクト)をイメージしております。

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