高齢者のお金事情
退職する前に確認すべき点
高齢者のお金事情はさまざまです。
退職を迎える方々の相談を受けることが多いですが、年金額・退職金額が異なることはもちろんのこと、中にはまだ高校生や大学生の教育費がある方や、住宅ローンの残高がとても多い方がいます。
ただ、すべての相談者に共通する点は、退職する時点で初めて年金額を知り、思いのほか少なくて驚かれていることです。
この時点で慌てても、できる対策は限られてしまいます。早めに確認できることは確認しておきましょう。
年金額を確認
まずは、ご自身の年金額(配偶者のいる方は配偶者の年金額も含め)を確認しておきましょう。
「年金だけでは2,000万円不足する!」という発言問題がありましたが、あながち嘘ではありません。退職後の生活費等の家計状況にもよりますが、現役のときよりも収入が減るのは明らかです。でも、家族が減るわけではないので、支出はほとんど変わらないです。
その場合、収入の差額が不足分になるのですが、60歳以降、何年生活するかを平均余命(その年齢の人が平均であと何年生きるかという年数)で考えると、60歳男性の平均余命は24.21歳、60歳女性の平均余命は29.46歳なので、あと30年間不足が続くと考える必要があります。
参考:厚生労働省 令和2年簡易生命表の概況 主な年齢の平均余命
現役収入が月40万円の方の年金額が月18万円だとすると、差額は22万円となり、それが30年間続くと7,920万円にもなってしまいます。
退職金で補ったとしても、2,000万円以上不足すると考えられます。
相談に来られる方の多くは、60歳で退職し、60歳〜65歳は再雇用で、給与は3〜5割減、65歳〜年金生活というイメージです。
年金額の確認ができたら、不足金額を計算してみましょう。
退職金の活用方法
退職金の活用方法についても考えてみましょう。
一般的には、住宅ローンの完済資金やリフォーム資金にされる方が多いです。
その他の活用法としてお勧めなのは、保険料の前納や一時払い保険の活用です。
先ほどの不足分を減らすためには、月々の支出を減らすことが重要になります。住宅ローンを完済することで、ローン分の支出を減らすことができます。
保険料の前納や一時払い保険の活用も同様に、月払いの保険料の支出を減らすことができます。
あわせて加入している保険の内容をきちんと確認し、最低限必要な保障だけになるようにするようにしましょう。
資金運用
収入となる年金の確認、支出の削減ができたら、補てん資金の運用についても考えましょう。準備した資金を単純に使っていくだけでは、資金がどんどん減ってしまいます。できるだけ運用して増やしながら使い、お金の寿命を延ばしていきましょう。
お金の育て方
退職までに、不足分補てんのための資金をできるだけ増やしておくことも大切です。
増やし方は大きく分けると2通りです。
今あるお金(元本)を増やす方法と、お金をコツコツ積み立てる方法です。いろいろな金融商品がありますが、目標金額と目標時期を決めることが重要です。
大切なお金ですから、上手に育てていきましょう。
プロフィール
■氏 名 渡辺 美智代
1966年 神奈川県横須賀市生まれ横須賀育ち
ファイナンシャルプランナー オフィスまみぃ代表
横須賀市とその周辺の地域を中心に個別相談・相談会・セミナー講師をしている。終活カウンセラーを取得してからは、葬儀会社と連携し、葬儀後の各種手続きのサポートも行う。
■実績
横須賀市の弁護士・税理士・行政書士・社会保険労務士と「横須賀知恵袋」という団体を作り、月1回の無料相談会を開催
■その他の事業
「起業ママ支援ユメノタネプロジェクト」
「ファイナンシャルプランナー資格活用塾FP+」
「介護・相続サポート窓口」 他
「親子ネクト〜離れて暮らす親が、ふと心配になったら〜」は、離れて暮らす親を心配されているご家族向けに、親に関する様々なお役立ち情報を発信しているブログサイトです。
タイトルの「親子ネクト」は親とつながる(コネクト)をイメージしております。
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