孫には甘かったり厳しかったりする親
今年ももう2か月が過ぎ、春が少しずつ近づいてくるのを感じる今日この頃です。
親世代にとってはお孫さんが進級、進学を迎え、成長が楽しみになる季節ですね。
子供の立場からすると、自分の親が孫を可愛がってくれるのはありがたいことですが、中には親の対応に割り切れない思いを持つ方も多いようです。
よく伺うのは「孫に甘い」というお話です。
孫の年齢は乳幼児から20歳過ぎた成人の方まで色々ですが、例えば実家に泊まりに行ったとき孫が夜更かししていても注意しない、テレビ見放題、ゲームやり放題にしていても怒らない、食べ物の好き嫌いやおやつの食べすぎも咎めない、自分がもらったことのないような金額のお年玉をくれるなど、自分が子供のときには親が「ダメ!」と言っていたことを孫には全部許しているのを見て、それなら自分にもそうしてほしかったと、今更ながら不満を感じるという方が多いです。
また逆のケースもあります。子供と一緒に推し活を楽しんだり、学校や部活の不満を聞いて同調していたりすると、親に「教育が甘すぎる」などと咎められて「もっと厳しくしないと将来困るから」と孫や自分に親があれこれ注意してくるのがイヤだというお話も伺いました。
孫を大事に思う親の気持ちは理解できても、子供の自分が否定されているように感じてモヤモヤが残るのでしょうね。
「◯◯したいけどしてはいけない」の葛藤
祖父母の立場に立てば、孫可愛さで孫に嫌われたくないから甘くなるのは理解できますが、特に親から厳しく育てられた方からすると「自分が我慢させられていたのは何だったんだろう」という気持ちになるでしょう。
また、厳しさゆえ親との距離を感じていたから、自分の子供とはなんでも話せて理解しあえる関係を築きたいのに、それを親から否定されるのも納得いかないですよね。
子育てに迷ったら「自分が親からされて嬉しかったことを子供にもする、親からされてイヤだったことは子供にしない」を基準にするとよいといいますが、親世代は「親から言われたこと、されたことは子供がどう思おうが絶対に正しい」と教えられていた方が多かったのではないでしょうか。
ゆえに自分の子供には厳しく接していても、孫の代になると責任感が薄らぎ「本当は自分がしたかったこと」を率直に表せるので甘くなったり、逆に自分が我慢したことを子供と孫が実現しているのを見ると面白くなく、小言を言いたくなるのだろうと思います。
親自身も、自分の思いと親の言いつけの間で葛藤しているのかもしれませんね。
親の「子供時代」を理解する
親の孫に対する対応が「甘すぎる」「厳しすぎる」といった「やりすぎ感」を感じるときは、親の親がどのように接していたのか、どんな親だと思っていたのか聞いてみてください。
すると「周囲の目を気にして、良き親にならなければというプレッシャーを感じていたのだろうな」などと、違う見方で親を理解するきっかけができると思います。
「孫を甘やかすことで本当は自分もこうしてほしかったという思いを満たしているのかも」「本当は親に甘えたかったのにそれができなくて、子供にも同様に厳しく接したのに、子供が孫に甘えさせて仲良しな関係でいるのが悔しいのかも」と、少し寛大な気持ちで親と向き合えるようになり、イライラやモヤモヤが減ってくるといいですね。
プロフィール
■氏 名 佐藤 栄子
大手不動産会社で約20年、主に秘書として勤務。社員のヘルスケアも担当したことがきっかけで心理学を学ぶ。義父の介護手伝いのため会社を退職し、退職後は心理カウンセラーとして活動。電話・メール、対面などのカウンセリング、心理テスト作成、コラムの執筆を行っている。
一般社団法人 全国心理業連合会 上級プロフェッショナル心理カウンセラー認定試験 合格
「親子ネクト〜離れて暮らす親が、ふと心配になったら〜」は、離れて暮らす親を心配されているご家族向けに、親に関する様々なお役立ち情報を発信しているブログサイトです。
タイトルの「親子ネクト」は親とつながる(コネクト)をイメージしております。
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