子供の好意が伝わらない?と思うこと
最近は家電や生活用品の進化が著しく、家事の簡略化や作業の時短に役立つ便利な機能が搭載されているものがたくさんありますよね。
体力が衰えてきた親の生活を手助けしてくれそう!と思って利用しようとしても、なかなか親には使ってもらえずにガッカリしたことはありませんか?
ある友人の話です。
親が「食洗機があったら食後の後片付けが楽になっていいな」というので、友人が早速プレゼントしたそうです。
しかしその後、全然使っていない様子。実家に行ったときに使い方を教えるとその時は普通に使えるので、活用しているかなと思っていたものの数か月後にまた実家に行ってみると使われている気配がないようです。なぜ使わないのかと親に聞くと「…やはりなくてもよかった」と言われて驚き、せっかくプレゼントしたのに!と憤ってしまったとのこと。
子供世代からすれば親に良かれと思って手配したものなのに、その好意が伝わらないどころか、結局家の厄介者状態になっていたとしたら悲しいですよね。
親世代が持つ「聞くこと」に対する思い
前述の友人の話の続きです。
その後、何かの拍子で祖母(母の母)の話になったとき、母親が「自分の親が晩年、日常の些細なことなのにやり方がわからない、できないと何度も同じことを聞いてきて正直いらいらしたし面倒だと思っていた。しかし自分も食洗機の操作順番を聞いても忘れてしまい、違うボタンを押して壊してしまうかもしれないと思うと不安で使えない。かといって昔の自分を思い出すと、何度も同じことを聞くのが子供に申し訳なく感じて結局使わなくなってしまった」と言って、そういうことだったのかと納得したそうです。
友人の親は過去の経験から「聞くこと」を躊躇したようですが、自分のことで子供の手を煩わせたくない、と遠慮する親世代は多いように感じます。また「こんな簡単なことを忘れてしまう自分」を認めたくはなく、かといって聞くとその事実を突きつけられるようで嫌だから聞かない、という方もいらっしゃいます。
自分がその年になってようやく理解できるのでしょうけれど、「ボタン操作」というのは私達が想像する以上に親世代には苦手意識があるのかもしれませんね。しかも最近の家電の取扱説明書は紙ではなく、ウェブサイトで確認するものが増えてきているので、親世代には使いづらいと思います。時代の進歩と共存していけるような一工夫が必要なのでしょうね。
新しいことに慣れるには時間と繰り返しが必要
そうはいっても、何度も同じことを聞かれるとどうしてもイライラしてしまいます。
最初は面倒に感じるかもしれませんが、例えば取扱説明書は紙に印刷して手順のページに印をつけておく、ボタンの上に番号を貼るなどすぐに見て確認できるように色々と工夫しましょう。そうして親世代が「新しいことを覚えよう、使ってみよう」という意欲をキープすることで脳トレにもなります。
もちろん、最初の工夫で親が使いこなせるようになればいいですが、「それでもわからないことがあればいつでも聞いてね!」の一言はかけてあげて、親世代の機械嫌いを回避できるといいですね。
プロフィール
■氏 名 佐藤 栄子
大手不動産会社で約20年、主に秘書として勤務。社員のヘルスケアも担当したことがきっかけで心理学を学ぶ。義父の介護手伝いのため会社を退職し、退職後は心理カウンセラーとして活動。電話・メール、対面などのカウンセリング、心理テスト作成、コラムの執筆を行っている。
一般社団法人 全国心理業連合会 上級プロフェッショナル心理カウンセラー認定試験 合格
「親子ネクト〜離れて暮らす親が、ふと心配になったら〜」は、離れて暮らす親を心配されているご家族向けに、親に関する様々なお役立ち情報を発信しているブログサイトです。
タイトルの「親子ネクト」は親とつながる(コネクト)をイメージしております。
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