冬は気持ちがふさぎがち
最近一気に寒波がやってきましたね。地域によっては豪雪になっていて、冬の季節の厳しさを一段と感じます。
冬は日照時間が短くなるため、セロトニンという精神を安定させるホルモン分泌が少なくなり、気持ちが落ち込んだりふさぎ込む人が増えますが、特に高齢者に多い傾向があるそうです。
それは冬の寒さに加え、年末はクリスマスやお正月など家族でお祝いする行事が続くことにより「昔は家族大勢で集まっていたのに…」などと昔を回顧し、いつもより孤独感が深まりやすくなるからのようです。ただでさえ年末は気ぜわしい雰囲気のなかにどことなく寂寥感が漂うので、よけいそのように感じさせるのかもしれませんね。
「次は自分」という不安
季節柄の要因としてもう一つ挙げられるのは「自分はこの冬を越すことができるのか」という健康上の不安を感じることにもあると思います。
厚生労働省のデータでも、死亡者数は冬の月が圧倒的に多くなっています。高齢者であればなおのこと、この時期に周りの方の訃報が届くことが増えるでしょうから、「〇〇さんも亡くなったのなら次は自分の番かもしれない」というように、「死」や「病」がより身近なことと感じられ、不安や恐怖を感じる方も多いのではないでしょうか。
現実的にはまだ「死」が遠いことに思える私達の年代であれば、知人の訃報に接したとき驚いたり悲しんだりすることはあっても、その事実を冷静に受け入れていくことができますが、高齢者の方の受け止め方はまるで自分事のようになるのでしょう。
特に親しい方や親族などが亡くなった場合は、私達が思う以上にショックや悲しみを感じているのではないかと思います。
伝えるタイミングを考える
私事ではありますが、私は2月に伯母を、先月に実母を亡くしました。
それぞれが生前お世話になった方にお知らせした際、どちらも何人かのご子息様から「最近近しい人の訃報が相次ぎ、大変落ち込んでいるので今はまだ父(母)には伝えないでおきます。」とご連絡をいただきました。
この経験から、残念なことに訃報が続いてしまったときは、相手との関係にもよりますが一旦子供が対応し、親にはそれを伝える時期やタイミングを考慮してもいいのかなと思いました。
また、親が冬の寒さを目前に元気がなくなっていたり、すでに訃報続きであるというときは、極力電話をかけたり、来年の楽しい予定について話したりという、安心や希望を持てるような働きかけをしてあげてほしいです。
そして高齢になれば、今日元気でも明日そうなのかはわからないので、自分の悔いを残さないように親との交流を持ってくださいね。
皆様どうぞ良いお年をお迎えください。
プロフィール
■氏 名 佐藤 栄子
大手不動産会社で約20年、主に秘書として勤務。社員のヘルスケアも担当したことがきっかけで心理学を学ぶ。義父の介護手伝いのため会社を退職し、退職後は心理カウンセラーとして活動。電話・メール、対面などのカウンセリング、心理テスト作成、コラムの執筆を行っている。
一般社団法人 全国心理業連合会 上級プロフェッショナル心理カウンセラー認定試験 合格
「親子ネクト〜離れて暮らす親が、ふと心配になったら〜」は、離れて暮らす親を心配されているご家族向けに、親に関する様々なお役立ち情報を発信しているブログサイトです。
タイトルの「親子ネクト」は親とつながる(コネクト)をイメージしております。
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