親の「大丈夫だから」は、危険信号?
言葉の裏にある心身の「予兆」を読み解こう!
両親の心と体の変化、どこまで把握できていますか?
離れて暮らすご両親と、どれくらいコミュニケーションがとれていますか?
一年に数度、あるいは一年に一度は帰省しているのはまだ良いほうで、「実はここ数年、実家に帰れていない…」という方も多いようです。
とはいえ、最近はスマホやタブレットを使いこなす高齢者も増えてきました。
直接は会えないとしても、つながりを持つことは、それほど難しいことではなくなりましたが、やはり直接顔を会わせることで感じ取れることが多いのも事実です。
今回は、ちょっとした会話の中から、「両親の本心や身体的な変化の予兆」を読み取るコツをご紹介! こうした会話をしておけば、将来的に介護や暮らしのサポートが必要となった時の準備もスムーズになるのでぜひ実践してみてください。
電話やメールでの会話編
~積極的に話したいこと・聞き方に注意すること~
もっとも気軽にコミュニケーションが取れるのはやはり電話やメールです。子供や孫の声を聞いたり、写真を見たりするのは悩への刺激にもなるといわれています。
ご両親の日常を知ろう!
「最近、元気なの?」という何気ない質問にプラスして、朝から夜までの過ごし方や、食事の様子などを聞いておくといいでしょう。生活サイクルを把握しておけば、いざ介護が必要になったとしてもケアマネジャーなどとすぐに連携して対策が打てます。
ご両親の人付き合いを知ろう!
地域活動への参加、趣味を通じてできた新たな友人の存在など、人との関わりを知ることでも日々の様子は見て取れます。もし可能であれば、その友人の連絡先などを聞いておくといいでしょう。もし、ご両親に何かあった場合、すぐにかけつけられなくとも、そのご友人の協力を得られる可能性があるからです。
「時間がないから」は体の不調かも?
散歩や運動、庭いじりなどの体を動かすことが趣味だった方の「ちょっと時間がないから最近はやってないなぁ」という言葉は、体が思うように動かなくなってきたことを意味するケースもあります。似たようなものとして「買い物をしにいかなくなった」「家で過ごすことが多くなった」なども体の変化の兆しを表しているものです。
あえて経済状況の確認を!
デリケートな話題のため、聞きにくい場合もありますが、お金のことも話しておきましょう。介護や同居など、ライフスタイルに変化が要求された場合、ご両親のお金から捻出することもあるでしょう。だからこそ年金額や預貯金の額を把握しておくことが大事なのです。さらにいうと、借金やローン、生命保険などの状況も知ることができればベターです。
メールの送信時間に注意!
メールをもらった時に注意しておきたいのは送信された時間です。いつも深夜の時間帯に送られているのであれば、不安や悩みによる不眠の可能性も否定できません。
写真から読み取れる生活の乱れ
暮らしの様子が写真から判断できることもあります。たとえば、ご両親との会話の中で「二人の元気な顔をみたいから、写真を送ってよ」と声をかけ、その会話の最中に写真(テレビ電話での会話でもいいでしょう)を送ってもらいましょう。
人物の背景に何がうつっていますか?背景に見える部屋は散らかっていませんか?
ご両親の身だしなみはどうですか?
前よりも痩せていませんか?あるいは太り気味ではありませんか?
質問攻めはご法度!
心配だからこそ、たくさんの話を聞きたいのはわかりますが、「ちゃんと食べてるの?」「ちゃんとやってるの?」「経済的に大丈夫なの?」と、質問ばかりをぶつけてしまうと、ご両親のプライドを傷つけてしまい、結果的に気持ちを閉ざしてしまうこともあるのでご注意を。とくに男親の場合は、自尊心が高い方も多く、心配事や不安を話したがらない傾向も強いので、会話の仕方には注意が必要です。一番やってはいけないのは「こんなに心配しているのに!」という、押しつけがましい上から目線のアプローチです。会話の基本はキャッチボール。まずはご両親の声にゆっくりと耳を傾けることを忘れないでください。
帰省時に注意してみておきたい、親の様子、暮らしの様子編
〜ここからは実家に帰った時に注意してほしいポイントをご紹介します〜
おふくろの味は、昔のまま?
子どもや孫たちをもてなすために用意された手料理からは、認知症の兆候が読み取れるといわれています。なぜなら料理をするには、段取りよく進める手順や味付けの記憶が大切になるから。認知症の気配があれば、味が薄い、濃いなど以前とは異なるものになっています。ふだん、食卓を共にする人同士であればその変化には気づきにくいですが、久しぶりに口にするのであればその変化を敏感に感じることができるでしょう。
同じ商品がたくさんあったら注意
年齢的になかなか買い物に頻繁にいけないという理由はあるにせよ、シニア世代はストック買いをする傾向が強いです。とはいえ、同じ調味料や洗剤といった日用品が大量にあった場合は、少し物忘れが進んでいる兆候かもしれません。
また品物が本来とは違う場所に置かれていた場合も要注意。たとえば、食料品をしまう貯蔵スペースにいままで置かれていなかった洗剤や掃除道具が置かれているといったこと。単純に、ものぐさになったのかもしれませんが、明らかに違和感がある場合は、「へーここに洗剤置くようになったんだ?取りやすいの?重たいもんね」と、何げない質問を投げかけて真意を探ってみましょう。
両親のものに触らない!捨てない!
昔はキレイだった実家がなんとなく散らかっている。シニア世代はゆっくりとした暮らしが基本です。片付けは目の届く範囲、必要最小限の整理整頓になっていくため、これはしょうがないことです。
それなのに、たまにしか帰ってこないからと無理やり片付けを買って出る方もいますが、これはおすすめできません。何が必要で、何を捨てていいかはやはり本人が決めること。もう着ることもないであろう洋服も、本人にとっては思い出の品だったりします。年をとるほどに、そういった思い出深い品々は、過去の記憶を思い出させ、日々の楽しみや元気に暮らしたいという活力の源になります。片付ける場合は、ご両親といっしょに思い出話をしつつ、本当にいらないものだけを捨てるようにしましょう。
<親子ネクトーク〜ご両親にお伝えください〜>
何気ない会話や仕草、暮らしの中に隠された、誰にも相談できない悩みや体の不調。ご両親の本当の姿をキャッチしていくには、子ども世帯だけでなく、親族やご友人の助けを借りながら、継続的にコミュニケーションを重ねることが大切です。ふとした変化を知ることで、大事を免れることもあります。だからこそ、ご両親との会話のひとつひとつを丁寧に拾い上げていきましょう。
●「なにげないことでもいいから、おしえてね」日常会話を大切に。
●「時間がないから、できない」は心身の不調の兆しかも!?
●「不安・不満」をガマンしないで、できるだけ親子で共有しよう。
「親子ネクト〜離れて暮らす親が、ふと心配になったら〜」は、離れて暮らす親を心配されているご家族向けに、親に関する様々なお役立ち情報を発信しているブログサイトです。
タイトルの「親子ネクト」は親とつながる(コネクト)をイメージしております。
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