葬儀やお墓への思い
先日、以前仕事で大変お世話になった方の訃報及び葬儀のお知らせをいただき、参列の準備をしようと案内をよく見ると「供物、供花、香典は固く辞退申し上げます」という注意書きがありました。
ご遺族様が参列者に配慮してくださっているのでしょうけれど、弔意を表するためにお香典はやはり持参したほうがいいのでは?と悩み、最近の葬儀関係に詳しい方に聞いてみました。
答えは「注意書きの通りで持参しないほうが、ご遺族様のお手間を取らせない」でした。
亡くなったことを知らせたほうが礼にかなっていると遺族が判断しても、高齢の故人の交友関係を把握しているケースは少なく、お香典返しや会葬礼状の発送が煩雑になってしまうので、参列のお気持ちだけで充分ということだそうです。
最近は家族葬や直葬(通夜や葬儀を行わず火葬のみ執り行う)を選択するご家庭が増えてきたことに伴い、「供物、供花、香典辞退」も多くなっているようで、葬儀も時代とともに変っているのだと感じました。
葬儀の次は納骨の儀となりますが、最近は散骨や樹木葬など、「お墓」に対する考え方にも変化が見て取れます。皆様のお家ではいかがでしょうか。

親のお墓への思いは
先日カウンセリングのご相談で伺ったお話です。(※内容を一部変更しております)
数年前に父親が他界し、お墓が近くにあるので毎年母親とお墓参りに行っていたのですが、ある日突然母親から「父親と同じ墓(婚家)には入りたくない。自分の実家のお墓に入りたい」と言われたそうです。
驚いて話を聞くと、母親は父親のことは嫌いではないが、父親の一家とはことごとく考え方が合わず、母親に嫌味を言うなど、いい対応をされなかったそうです。母親は子供のためにずっと我慢してきたけれど、死んだ後まで一緒にいたくない、というのが希望でした。
そしてほどなく母親が亡くなり、葬儀に来ていた母親の妹(叔母)に実家のお墓へ納骨したいと話をしたところ、なんと実家のお墓は誰が管理するのかで現在揉めており、管理料が滞納されている状態だそうです。母方のきょうだい全員がお墓より遠方に住んでおり、「もし納骨したいのであれば、管理もそのままお願いしたい」と叔母に頼まれてしまいました。
(※余談ですが、墓地や墓石などは祭祀財産と呼ばれ、相続財産には該当しません。そのため、法定相続人以外の人でも承継することができます)
母方のお墓はその方のお住まいからもかなり遠方であり、管理者になるのは正直負担が大きいので、どうしたものかと悩んでいらっしゃいました。

形よりも気持ちを大切に
最終的にその方は、自分の実家近くの納骨堂を別に購入して母親のお骨を納めることにしました。
母親の希望を叶えることができず申し訳ない思いはあるものの、自分がお参りに行きやすい場所のほうが母親も喜んでくれるのではと考えたそうです。
母親が実家のお墓に入りたいと思っていたとはまさかの想定外だったし、そうであれば母方の実家のお墓は誰の管理になっているのか、早めに状況を確認しておくべきだったという後悔はあるようですが、一番大切なのは親を弔う気持ちなので、ご本人がお参りしやすい場所に納骨できたのは良かったと私は思います。
お墓は自分や自分の子供の将来にも関係してくるので、何かの機会に親の思いを確認しておくことをおすすめします。もしかしたら親の希望すべてを叶えることはできない状況もあるかもしれません。親が亡くなった後に、意に沿わない見送り方をしてしまうと自分の心にずっと後悔の念が残ることがありますので、生前に話しをしておき、お互い納得のいくお別れの仕方ができるといいなと思います。

プロフィール
■氏 名 佐藤 栄子
大手不動産会社で約20年、主に秘書として勤務。社員のヘルスケアも担当したことがきっかけで心理学を学ぶ。義父の介護手伝いのため会社を退職し、退職後は心理カウンセラーとして活動。電話・メール、対面などのカウンセリング、心理テスト作成、コラムの執筆を行っている。
一般社団法人 全国心理業連合会 上級プロフェッショナル心理カウンセラー認定試験 合格
一般社団法人介護予防心理美容協会 常任理事
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