働きながら年金受給すると年金がカットされる!?
働きながら年金を受給する場合、給与・賞与の月平均と年金月額の合計が一定額(支給停止調整額)を超えるときに老齢厚生年金が減額調整されます。これを「在職老齢年金」といいます。
厚生年金保険の被保険者でない場合は、在職老齢年金の調整は適用されませんが、適用事業所に引き続き70歳以降も勤務する場合は、厚生年金保険の被保険者の資格は喪失しますが、在職老齢年金の調整は適用されます。
※老齢基礎年金は支給停止の対象とならないため、全額支給されます。
60歳以降も継続して働いている方から、
「年金が一部または全額カットされている」
「年金カットされないために働き方で給与を調整しないといけない」
ということを聞いたことがありませんか?
2022年3月までは、60歳~65歳未満の支給停止調整額が28万円でした。
※基本月額
加給年金額を除いた老齢厚生年金の月額
※総報酬月額相当額
(その月の標準報酬月額+その月以前1年間の標準賞与額の合計)÷12
2022年3月までの60歳~65歳未満の方は、<図1>のように賃金が月あたり20万円であっても支給停止されることがありました。
その後、60歳~の支給停止調整額が一律化され、47万円・51万円と改定されていき、
2026年4月からは、支給停止調整額が65万円になりました。
(毎年度賃金変動に応じて改定される予定)
<図2>のように、支給停止調整額が65万円に増えたことで、年金の支給停止を気にせず、より多くの収入を得られるようになりました。
基本月額が10万の場合、総報酬月額相当額55万までは年金が全額支給されることになります。
在職中に年金が増える!
2022年4月以降、65歳以上70歳未満の老齢厚生年金の受給者を対象に、基準日(毎年9月1日)に前年9月から当年8月までの被保険者期間が10月分からの年金額に反映されるようになりました。
2022年3月までは、65歳以降の被保険者期間は、<図3>のように資格喪失時(退職時・70歳到達時)のみ年金額は改定されていました。
2022年4月以降、在職中でも年金額が毎年10月分から改定する制度が導入されました。
これを「在職定時改定制度」といいます。
65歳になり、老齢厚生年金の受給権が発生してから8月までの被保険者期間が当年10月分の年金額に反映、それ以降は前年9月~当年8月までの被保険者期間が当年10月分の年金額に反映されていきます。
資格喪失時(退職時・70歳到達時)には、反映されていない資格喪失時までの被保険者期間が、退職した翌月分の年金額から改定されます。これを「退職改定」といいます。
※退職して1か月以内に再就職し、厚生年金に加入した場合(転職など)は、年金の再計算は行われません。

<図4>のように、65歳以降も厚生年金に加入しながら老齢厚生年金を受けていると、毎年10月分から再計算で年金が増えていきます。
ただし、年金が再計算された結果、在職老齢年金制度の支給停止額が変更となる場合があるので、注意しましょう。
60歳以降の働き方
平均寿命・健康寿命が延び、60歳以降もまだまだ働きたいと考える高齢者が増えています。
在職老齢年金制度・在職定時改定制度を上手に活用していきましょう。

プロフィール
■氏 名 渡辺 美智代
1966年 神奈川県横須賀市生まれ横須賀育ち
ファイナンシャルプランナー オフィスまみぃ代表
横須賀市とその周辺の地域を中心に個別相談・相談会・セミナー講師をしている。終活カウンセラーを取得してからは、葬儀会社と連携し、葬儀後の各種手続きのサポートも行う。
■実績
横須賀市の弁護士・税理士・行政書士・社会保険労務士と「横須賀知恵袋」という団体を作り、月1回の無料相談会を開催
■その他の事業
「起業ママ支援ユメノタネプロジェクト」
「ファイナンシャルプランナー資格活用塾FP+」
「介護・相続サポート窓口」 他
働きながらの年金受給~60歳以降の働き方を考えよう~
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