高齢者の親の便秘の原因は食生活にあった
毎日の食生活をチェックしよう
一般的に女性に便秘が多いと思われていますが、
実は高齢者になると男女問わず便秘がちになることが多いと言われています。
それはなぜなのでしょうか?
今回は便秘の原因、便秘が及ぼす悪影響、解消方法まで詳しく解説します。
高齢者の便秘とその原因
多くの人のお腹を悩ませる便秘。一般的に便秘とは以下のように定義されています
~便秘とは~ 便秘とは、便中の水分が乏しく硬くなる、もしくは便の通り道である腸管が狭くなり排便が困難または排便がまれな状態をいいます。 |
便秘には以下のような原因があります。
✔︎ 不規則な食事・生活
✔︎ 食物繊維・水分・脂質などの摂取不足
✔︎ 低栄養
✔︎ ビタミン欠乏症
✔︎ 全身衰弱
✔︎ 緊張・恐怖・悲しみなどの精神的要因
✔︎ 神経障害
✔︎ 浣腸や下痢の乱用
✔︎ 体質
✔︎ 職業性(便意があっても排便できない職業の人)
✔︎ 便意を抑制する習慣
(引用:厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト e-ヘルスネット「便秘と食事」
中でも高齢者の便秘においては、「不規則な食事・生活」「食物繊維・水分・脂質などの摂取不足」が原因となるケースが多いようです。
以下の表をご覧ください。
厚生労働省が実施した「食習慣改善の意思」の統計です。
60歳以上の高齢者の約3割が「改善することに関心がない」「関心はあるが改善するつもりはない」のいずれかに該当しています。
しかし、便秘になると便通不良になるばかりでなく、腸内細菌のバランスが崩れ様々な悪影響を及ぼします。
便秘が及ぼす悪影響とは
便秘になると便通不良になるばかりでなく、腸内容物の腐敗などが進行して腸内細菌のバランスが崩れ、下腹部不快感・膨満感・腹痛・悪心・嘔吐などの障害をきたす恐れがあります。
ヒトの腸内には約1000種類、100兆個にも及ぶ腸内細菌が生息しています。ヒトの腸内細菌は、善玉菌と悪玉菌、そのどちらでもない中間の菌と、大きく分けて3グループで構成されており、バランスを保っています。
しかし便秘になると、このバランスが崩れ腸内の悪玉菌が増えてしまいます。
悪玉菌は、たんぱく質や脂質が中心の食事・不規則な生活・各種のストレス・便秘などが原因で腸内に増えてきます。腸内細菌は肥満、糖尿病、大腸がん、動脈硬化症、炎症性腸疾患などの疾患と密接な関係があり、これらの患者の腸内細菌は健常者と比べて著しく変化していることが知られています。
(引用:厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト e-ヘルスネット「便秘と食事」
こういった悪影響の予防には食生活の改善が不可欠。
次に便秘の解決方法を見ていきましょう。
高齢者の便秘の解消方法9項目
便秘の基本的な解消方法は食生活の改善です。
以下9項目を意識して、食生活を改善していきましょう。
① 食物繊維を積極的に食べる
食物繊維を多く含む食品を積極的に食べましょう。便量を増大させ、排便リズムを回復させます。食物繊維を多く含む食品は、たけのこ・緑黄色野菜・ごぼう・さつまいも・ふき・七分搗き米・大豆・ひじき・かんぴょう・切干大根などがあります。
② 冷水、冷牛乳を飲む
冷水・冷牛乳を適切に摂って、胃・大腸の反射を促しましょう。特に起床後の摂取が勧められます。牛乳も小腸ラクターゼ活性の低い人には効果があります。水分は便を軟らかくして排便を容易にする働きがあります。
③ 適度に脂質を摂る
適度に脂質を摂りましょう。脂質に含まれている脂肪酸が大腸を刺激します。
④ 適度なら香辛料、アルコールなどはOK
適度の香辛料やアルコール・酸味類・エキス分(肉・魚のうま味分)は、排便を促します。
⑤ 糖分を摂る
糖分の多い食品は、腸管内で醗酵しやすく大腸運動を高めます。糖分の多い食品には、はちみつ・砂糖・水あめなどがあります。
⑥ 有機酸を含む食品を摂る
パインアップル・いちご・りんご・牛乳・ヨーグルト・プルーン・梅干など有機酸を多く含む食品を積極的に摂りましょう。
⑦ 豆類・芋類などを摂る
腸管内で醗酵し、ガスを発生させやすい豆類・いも類・かぼちゃ・くりなどを摂りましょう。
⑧ 米飯を食べる
米飯の難消化性でんぷんが食物繊維と同様の働きをします。白米より七分搗き米・胚芽米・玄米のほうが食物繊維の量も多くなり、より効果があります。
⑨ 食事量を確保しよう
食事量の確保も大切です。高齢者などは特に、食事量の過小が便秘の原因になっていることがあります。
(引用:厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト e-ヘルスネット「便秘と食事」
高齢になると、どうしても食が細くなり、自分の好みのものばかり食べてしまう傾向がありますが、バランス良く、様々な食品を摂取することが大切です。
いきなり全部実施するのは大変なので、できる項目から少しずつ始めていくといいでしょう。アルコールなどの嗜好品も、適度であれば便秘に効果があるとされています。
また、ヨーグルトやサプリメントなどで不足しがちな善玉菌を補うのもいいですね。大切なのはこれらを継続して行うということ。ストレスにならないように、無理なく続けていきましょう。
便秘を解消して、毎日を元気に!
いかがでしたでしょうか?
便秘に悩んでいる方、便秘に悩む親がいる方はまず毎日の食習慣をチェックしてみましょう。毎日少しずつ、できる改善から始めてみてくださいね。
皆さんも便秘を解消・予防して、毎日を元気に過ごしましょう。
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