楽しく食べて認知症予防【親の心と体】

連載コラム

楽しく食べて認知症予防

歳を重ねると健康だった身体も気づかないうちに老化が進んでいます。
いつまでも若々しく、綺麗でいたい。そういった願望は人である以上、男女問わず持っていて当然だと思います。また、そういった願望を持たなければ健康と美貌を維持することは出来ませんし、意識して生活する事が最も大切だと思います。
意識するところは人それぞれ、外側、内側とありますが、まずは内側である体調管理、内側がしっかり管理出来ていれば自然と外側にも良い影響が出てきます。
それでも補えないところを外側から補給する事が最適ではないかと私は思っています。
では、「健康=美貌」と、考えた時、何に意識して生活するべきか?
適度な運動、十分な睡眠、そして、それらを健全に支える栄養バランスの良い食事を最も意識する必要があるのではないでしょうか。

「健康=美貌」を前提に、本題に入っていきましょう。

食事

生活習慣病

以前は成人病と言われていましたが、成人ではない人もかかってしまう病気もあるので、現在では生活習慣病と呼ばれており、その中に糖尿病があります。糖尿病には先天性もありますが、糖質の摂取を抑える事により予防が出来ます。
また、糖質を多くとると“老ける”ともいわれており、美貌を損なわれる可能性もあります。

では、今回のテーマでもある認知症と食生活の関係について考えてみましょう。

認知症にはアルツハイマー型と脳血管性がある

後者の脳血管性認知症は脳梗塞後に発生しやすくなります。脳梗塞は動脈硬化が多くの原因で、そこには糖尿病が原因の場合も多々あります。糖尿病になれば血管が傷つけられて動脈硬化が進行しやすくなる。つまり、認知症にならない為には糖尿病にならない事も、重要だということです。

糖質の摂取を抑える

糖質を抑えるには日常的習慣を意識して改善する必要があります。砂糖を控える、間食をしない、そして、炭水化物を減らす。炭水化物は糖質と食物繊維、イモ類のデンプンも糖質の仲間です。勿論人体には糖質も必要ですが、日常的過剰な摂取が糖尿病になる大きな原因となります。日常の摂取量を控える事を継続することで、血糖値も低めに安定してきます。
ただ、日本人は昔から米を主食としてきましたので、それ相応の努力が必要です。
因みに私も白米が大好きで、幼少時代、祖母に「糖尿病になるからご飯を減らしておかずをたくさん食べなさい!」と、よくられました。
また、酸化しない身体を作ることも大切です。アンチエイジングは血管から!

抗酸化作用のある食物を意識する

・リコピン
動脈の血管が酸化により硬くなってしまうので、酸化を防ぐ食物を摂取するよう心掛けましょう。血管が錆びてしまう事をイメージしてください。
そんななかで、手軽に食べやすい食材の一つにトマトがあります。
トマトには強い抗酸化作用のあるリコピンが含まれており、加熱することにより吸収力を高める事が出来ます。また、オリーブオイルと合わせる事で、更に吸収力を高め、夜食べれば寝ている間に肌まで成分が届くとも言われており、美容にも最適です。

トマト リコピン

・オメガ3脂肪酸(海洋由来、植物由来あり)
マグロ、ブリ、イワシ、サバ、サンマなど青魚の脂肪分に多く含まれており、DHAやEPAの仲間の脂肪酸です。海洋由来のオメガ3脂肪酸は心臓血管疾患による死亡リスクを下げる事が明らかとなっています(私は寿司屋に行けば、青魚を中心に食べます)。

いわし オメガ3脂肪酸

いかがでしょう、リコピンとオメガ3脂肪酸。これらを中心とした食事を継続するだけでも結構な効果が見込まれると思わないでしょうか。そこに食物繊維や発酵食品で腸内環境を整え、ビタミンやミネラルが豊富な食材を摂取する。あとは調理方法を変え、飽きない料理を食すれば、楽しい食事をしながら認知症防止、健康な身体を維持、老化のスピードを緩める事が出来ます。

栄養バランスの良い献立を考える

私たち料理人が会席料理やお膳、定食などの献立を考える時、栄養バランスも自然と考慮します。野菜は色合いで栄養素が変わってきますし、肉ばかり、魚ばかりの献立は作りません。彩良く、適正な温度、食材も偏ることなく、陰陽五行、五味五色五法を基本にして組み立てます。
※陰陽五行、五味五色五法については次回以降に深く触れていきたいと思います。
そういった事を組み込み、古くから伝えられている一汁三菜の献立で食事をすることによって、楽しく美味しく健康的な食生活で同時に認知症予防も出来るのではないでしょうか。

秋の一汁三菜献立例

副菜1 トマトとピーマン、舞茸の温サラダ オリーブオイルと塩コショウ くるみ掛け
副菜2 玉子とほうれん草、豚肉のオイスターソース炒め
主菜  サンマの塩焼き たっぷりの大根卸し醤油とレモン
主食  雑穀米
汁椀  豆腐とワカメの味噌汁

一汁三菜


プロフィール

氏 名  青山 憲正
1965年 京都生まれ京都育ち
京都商業高校卒業後、京料理の世界へ。
宮川町や先斗町の料理屋、京都ホテル(現 京都ホテルオークラ)などで修業を積み、京都宝ヶ池プリンスホテル(現 ザ・プリンス京都宝ヶ池)の和食料理長に就任。京都 西陣 お料理あお山 店主、レストランサントリーメキシコ総料理長、宮川町水簾東京ミッドタウン店料理長、某社会長のパーソナルシェフなどを経て、現在、金谷ホテル観光株式会社調理部部長及び鬼怒川温泉ホテル料理長を兼務する。
実績
秋篠宮ご夫妻、小泉元総理をはじめ各界の方々から一般消費者の方々のお料理
商品開発
生産者と消費者をつなぐ第六次産業ビジネス、電子レンジ特化型商品、糖質制限食、高齢者要介護者向けお食事 他
掲載歴
専門料理 婦人画報 メイプル HANAKO(準グランプリ獲得)京都新聞 他
教育
和食ワールドチャレンジ優勝者排出 フードコーディネータースクール講師 他


「親子ネクト〜離れて暮らす親が、ふと心配になったら〜」は、離れて暮らす親を心配されているご家族向けに、親に関する様々なお役立ち情報を発信しているブログサイトです。
タイトルの「親子ネクト」は親とつながる(コネクト)をイメージしております。

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